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2026.09.02 更新)建築基準法建て替え売却準備

建築基準法改正2025年4月|中古住宅の建て替えと売却

記事内容をもとに生成したイメージ:建築基準法改正2025年4月|中古住宅の建て替えと売却
記事内容をもとに生成したイメージです。実在の場所・人物を撮影したものではありません。
この記事の結論2025年4月1日以後に工事に着手する建築物から、建築確認の審査省略(4号特例)の対象が狭まりました。省略が残るのは、都市計画区域等の区域内で平屋かつ延べ面積200平方メートル以下の建築物だけです。木造2階建ては新2号建築物に移り、大規模の修繕・模様替にも確認申請が必要になりました。売主が今日できるのは、建物の階数と延べ面積、検査済証の有無を確かめることです。

築30年を過ぎた木造2階建ての実家を、直して住むのか、建て替えるのか、売るのか。決めかねている持ち主の方に向けて書きます。

2025年4月1日から、建築基準法の改正が動き出しました。世の中では「4号特例の廃止」と呼ばれています。名前だけ見ると建てる人の話ですが、中古住宅を売ろうとしている売主にも効いてきます。買主が「買ってから建て替える」「買ってから大きく直す」と考えているとき、その段取りが変わったからです。

この記事で答えるのは2つです。何がどう変わったのか。売主が売り出す前に確認できることは何か。金額ではなく、手続きと日程の話です。

木造2階建ては、審査省略の対象から外れました

2025年4月1日以後に工事に着手する建築物から、建築確認の審査省略(いわゆる4号特例)の対象が大きく狭まりました。国土交通省の「建築基準法・建築物省エネ法 改正法制度説明資料」(令和6年9月)に、こう書かれています。

構造関係規定等の審査省略の対象とするものは、木造・非木造に関わらず、「都市計画区域等の区域内の平屋かつ延べ面積200㎡以下の建築物(新3号建築物)」とする。

改正前は、木造で階数2以下かつ延べ面積500平方メートル以下なら、構造関係の図書の審査が省略されていました。改正後に省略が残るのは、平屋かつ延べ面積200平方メートル以下の新3号建築物だけです。木造2階建ての一戸建ては新2号建築物という区分に移り、確認申請のときに構造関係規定等の図書と省エネ関連の図書を出すことになりました。

施行の数え方にも注意が要ります。同じ資料には「建築確認・検査の対象となる建築物の規模の見直し等は、施行日(令和7年4月1日)以後に工事に着手するものについて適用されます」とあります。契約日でも申請日でもなく、工事に着手した日が分かれ目です。

※ 木造の壁量基準等には経過措置があり、令和7年4月1日から令和8年3月31日までに工事に着手するものは改正前の基準によることができました。この期間は2026年3月31日で終わっています(対象範囲は記事末のFAQを参照)。

ここで数字を、自分の商売の感覚に置き換えます。延べ面積200平方メートルは約60.5坪です(1坪=約3.31平方メートルで換算)。面積の条件だけを見れば、一戸建てのほとんどが収まる線に見えます。

ところが、審査省略が残る新3号建築物の条件は「平屋かつ200平方メートル以下」で、平屋であることが先に来ます。1階と2階が同じ広さの総二階なら、延べ面積が100平方メートル(約30.3坪)でも新2号建築物です。面積が小さいから省略される、という話ではありません。2階建てだという一点で、木造の一戸建てはほぼ新2号に入ります。

構造計算が必要になる規模も動きました。国土交通省の改正解説によると、木造で構造計算が必要になるのは延べ面積500平方メートル超から300平方メートル超(約90.8坪超)に下がっています。一戸建てには効きにくい線ですが、大きな古民家や、住宅を改装して店舗として使っていた建物では効いてきます(磐田市の不動産売却)。

売主に効くのは、建て替えより「大規模の修繕」のほうです

売却の現場で先に効いてくるのは、新築や建て替えではなく、大規模の修繕・大規模の模様替です。国土交通省住宅局「木造戸建の大規模なリフォームに関する建築確認手続について」(令和7年2月21日時点)に、こう書かれています。

今般の法改正により旧4号建築物から新2号建築物に移る2階建ての木造一戸建て住宅等の建築物において、大規模の修繕又は大規模の模様替を行う場合、新たに建築確認等の手続きが必要となる。

買主が「買って直して住む」と考えている中古住宅で、直し方によっては確認申請が挟まる、ということです。手続きが挟まれば着工までの日数が延び、引渡し後の日程が読みにくくなります。

ただ、ここは誤解されやすいところです。同じ資料は、該当しない例も並べています。屋根はふき材のみの改修やカバー工法。外壁は外装材のみの改修、内側からの断熱改修、仕上材をかぶせる工法。床は仕上げ材のみの改修や上からの重ね張り。階段は過半に至らない段数の改修。いずれも該当しません。屋根や外壁のすべての材を改修することになり、その部分が過半に及ぶ場合に該当する、という整理です。

つまり「リフォームには確認申請が要るようになった」は言い過ぎです。線は「主要構造部に、過半にわたって手を入れるかどうか」にあります。売り出し価格を考えるときにも、この線を知っているかどうかで買主への説明が変わります(売り出し価格の決め方)。

確認申請が要るかどうかと、費用をかけて直してから売るほうが手取り額を増やせるかどうかは別の判断です。工事費、補助見込額、売価への反映額を同じ表で比べる手順は、家売却でリフォームしない案|2026年補助と比較にまとめました。

この改正の、良い点と私が注文したい点

良い点から数えます。3つあります。1つ目は、構造関係の図書が確認の場に出るようになったこと。2階建ての木造住宅の安全性が、書類の上で第三者に見える形になりました。

2つ目は、省エネの扱いが整理されたこと。2025年4月以降に着工する原則すべての住宅・建築物に省エネ基準への適合が義務づけられ、届出義務制度(300平方メートル以上の住宅)と説明義務制度(300平方メートル未満)は2025年4月以降廃止されました。面積で分かれていた扱いが、適合義務に一本化されています。

3つ目は、図書の合理化が同時に入っていること。仕様規定だけで構造安全性を確かめる計画(階数2かつ延べ面積300平方メートル以下など)では、必要事項を仕様表等に記載することで、基礎伏図・各階床伏図・小屋伏図・2面以上の軸組図の添付を省略できるとされています。

その上で、一事業者として注文したい点が2つあります。1つ目は、名前の伝わり方です。「4号特例の廃止」という呼び方だけが先に広まり、平屋200平方メートル以下という省略の枠が残っていることも、修繕・模様替の該当と非該当の線も、売主にも買主にも届いていません。売買の現場に届く一枚ものが、もっと早く欲しかったところです。

2つ目は、言葉の紛らわしさです。省エネのほうは、改正後は増改築を行った部分が基準に適合すればよい形になりました。ただし、この「増改築」に修繕・模様替え(いわゆるリフォーム)は含まれません。同じ「リフォーム」という言葉が、確認申請の話と省エネの話で別の意味を持ちます。現場で説明していて、私自身が言い間違えそうになります。

ここからは私の意見です。正直に言えば、この改正が中古住宅の流通にどう出るのか、私はまだ読み切れていません。手続きが増えれば買主の着工は後ろにずれます。ずれた分を買主が値段で見ようとするのか、それとも「構造の図書が残る家」として評価が上がるのか。どちらとも判断できていません。判断がつくまでは、売主の方に「だから今のうちに売ったほうがいい」とは申し上げません。

当社がやらないこと、そのかわりにやること

当社は買主になりません。買取・買取保証を率先して行いません(当社が買取・買取保証を率先して行わない理由)。手続きが増えて買主の動きが鈍りそうな局面ほど、「では当社が買います」と言えれば話は早いのですが、それをやると売主様の手元に残る金額が下がります(手取り額で考える)。

そのかわりにやることが3つあります。売り出す前に、登記事項証明書と課税明細で建物の階数・延べ面積・建築時期を確認して販売資料に書くこと。検査済証と確認済証の有無を確かめ、無ければ「無い」と書くこと。買主が建て替えや大きな改修を口にしたら、新2号と新3号の区分と、着工した日で適用が決まることを先に伝えることです。

建て替えができるかどうかは、この改正より前に、その土地の条件で決まる部分が大きいままです。前の道が建築基準法上の道路か、幅員と接している長さはどれだけか。市街化調整区域なら、建て替えの可否はさらに別の話になります(磐田市の市街化調整区域の家は売れるのか)。

今日できる確認は3つです

売るかどうかを今日決める必要はありません。決める前に、材料を3つ足しておくことをおすすめします。

  1. 建物の階数と延べ面積を数字で確かめる。登記事項証明書か固定資産税の課税明細に載っています。平屋かつ延べ面積200平方メートル以下なら新3号建築物、それ以外の木造住宅は新2号建築物にあたります。
  2. 検査済証と確認済証を探す。見つからなければ「見つからなかった」で構いません。あるかないかが分かっているだけで、買主との話が早くなります。
  3. 買主の予定を聞くときは、着工がいつになりそうかまで聞く。2025年4月1日以後に工事に着手するかどうかで適用が決まるためです。

この3つが分かれば、直して住む・建て替える・売る、のどれを選ぶにしても効いてきます。手取り額の試算をご希望でしたらかんたん入力のフォームからどうぞ。売却をお約束いただく必要はありません。工事が大規模の修繕・模様替に当たるかどうかの判断、確認申請の要否、既存不適格の扱いは、設計者・特定行政庁・指定確認検査機関にご確認ください。相続や税の個別判断は、税理士・司法書士など各分野の専門家にご確認ください。

※ 出典(いずれも2026年8月30日確認・HTTP 200):国土交通省「建築基準法・建築物省エネ法の改正について」/国土交通省「建築基準法・建築物省エネ法 改正法制度説明資料」(令和6年9月)/国土交通省住宅局「木造戸建の大規模なリフォームに関する建築確認手続について」(令和7年2月21日時点)/国土交通省「構造安全性の確保に関する規定の見直し」。改正の根拠法は「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」(令和4年法律第69号)。制度・要件・運用は変わることがあり、個別の建物への当てはめがこの記事のとおりにならないこともあります。

よくある質問

2025年4月の改正で、中古住宅を売る側の手続きは増えましたか?

売主が役所へ出す書類が増えたわけではありません。増えたのは、工事に着手する側の手続きです。ただし買主が建て替えや大きな改修を前提に検討する場合、着工までの日数が延びることがあります。当社では売り出す前に、登記事項証明書と固定資産税の課税明細で建物の階数・延べ面積・建築時期を確認し、検査済証と確認済証の有無を販売資料に書いています。無い場合は無いと書きます。

木造2階建てのリフォームには、これから確認申請が要るのですか?

工事の内容によります。国土交通省住宅局の資料では、屋根のふき材のみの改修やカバー工法、外装材のみの改修、内側からの断熱改修、床の仕上げ材のみの改修や重ね張りは、大規模の修繕・模様替に該当しないと整理されています。一方、屋根や外壁のすべての材を改修することになり、その部分が過半に及ぶ場合は該当します。当てはめは工事の中身次第ですので、設計者か特定行政庁にご確認ください。

2026年に工事を始める場合、壁量の基準は改正前と改正後のどちらですか?

改正後の基準によります。国土交通省の改正法制度説明資料では、令和7年4月1日から令和8年3月31日までに工事に着手するものは改正前の壁量基準等によることができるとされていました。対象は地階を除く階数2以下、高さ13メートル以下、軒高9メートル以下で延べ面積300平方メートル以内の木造建築物です。この期間は2026年3月31日で終わっています。

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