「買い取ります」と言われたら、先に確認したい3つのこと
実家の片づけの相談で伺うと、「先週、別の会社の人が来て、この家なら買い取れますよと言われた」という話をよく聞きます。金額まで書いた紙を置いていくこともあります。
その紙を見せていただくと、たいてい金額だけが大きく書いてあります。何と比べた金額なのかは、書かれていません。比べる相手がないと、その数字が高いのか安いのかは判断できません。ここでは、買取の提案を受けたときに先に確認しておきたいことを3つに絞って書きます。
1. その会社は「買主」なのか「仲介」なのか
まず確認したいのは、目の前の会社がその取引で誰の側に立つのかです。
買い取ると言っている会社は、その取引の買主です。買主は、安く買えたほうが利益が出ます。一方で仲介は売主の代理人ですから、高く売れたほうが売主の利益になります。同じ取引の中で、この二つは同時には成り立ちません。
どちらが良い悪いという話ではありません。ただ、査定額の意味が変わります。買い取る会社にとっての査定額は「自分が支払う金額」で、仲介の査定額は「一緒に目指す金額」です。同じ「査定」という言葉でも、出てくる数字の性格が違います。
ですから、最初に聞くべきことは金額ではなく、「これは御社が買う話ですか、それとも買主を探す話ですか」の一言です。当社が買取を率先して行わない理由も、突き詰めればここにあります(当社が買取と買取保証を率先して行わない理由)。
2. 手元にいくら残るかで並べ直す
売却で本当に効いてくるのは、売却価格そのものより、諸費用を引いたあとに手元へ残る金額です。買取は仲介手数料がかからないぶん、価格の差がそのまま縮まるように感じられますが、多くの場合はそれでも差が残ります。
当サイトでは、磐田市の築25年の戸建てが市場で2,000万円で売れる場合を例に試算を載せています。仲介なら手数料と諸費用を引いて約1,917万円、買取(市場価格の75%と想定)なら約1,490万円。この例では約427万円の差になります。前提と注記は手取り額で考えるページに全部書いてあります。
※ あくまで一例です。買取価格の水準は会社や物件によって変わり、75%を上回ることも下回ることもあります。建物の状態や残置物の量によっては、仲介で売り出しても買主が見つかりにくく、結果として買取のほうが条件が良くなることもあります。
大事なのは、同じ土俵に並べてから決めることです。買取の提案書に書いてある金額と、仲介で売れた場合に残る見込み額を、どちらも「手元に残る額」に直して並べる。この作業をしないまま判断すると、あとから差額を知ることになりかねません。
3. 期限は「商品」ではなく「段取り」で守れないか
買取を検討する理由の多くは、価格ではなく期限です。相続税の納期限、施設の入居費、ローンの残債、遠方で管理できない。事情はそれぞれ違います。
ただ、「急いでいる」の中身をほどいてみると、買取以外で解ける部分が残っていることがあります。引渡し時期の調整、決済日の設定、残置物の先行処理、つなぎ資金の相談先の紹介。こうした手当てで期限に間に合うなら、価格を下げる必要はありません。
逆に、段取りを詰めておかないと日程が動いてしまう項目もあります。代表が登記簿上の住所・氏名のずれで、2026年4月1日からは変更登記そのものが義務になりました(住所変更登記が2026年4月から義務に|売る前の段取り)。
当社は期限のあるご相談を受けたとき、まず期限から逆算した販売計画を作ります。いつ売り出し、いつ反響を検証し、いつ価格を見直し、いつ最終判断をするか。この日程を先に共有しておけば、保証のような商品を買わなくても期限は守れることがあります。もちろん、逆算してみて間に合わないと判断される場合は、その事実も早い段階でお伝えします。
それでも買取を選ぶときは、比べてから決める
近隣に知られたくない、残置物が大量にある、建物の状態に不安がある、どうしても数週間で現金化する必要がある。こうした事情では、買取がもっとも合理的な選択になることがあります。当社は買取という売り方そのものを否定していません。
当社が「率先して行わない」と言っているのは2つだけです。ひとつは、その取引の買主を当社が務めること。もうひとつは、当社の側からその方法を先に勧めること。
売主様が買取を選ばれた場合、当社は買主にはならず、性格の違う買取会社を複数集めて、同じ条件の紙で見積もりを出してもらいます。提示額だけでなく、決済までの日数、残置物処理の負担、契約後の減額条項の有無まで一覧にしてお渡しし、選ぶのは売主様です。進め方と費用はそれでも買取を選ぶ場合、当社がすることに書いています。
この場合、当社は媒介業者として仲介手数料をいただきます。「買取なら手数料はかからない」という説明は、その会社自身が買主になる場合の話です。比較によって上がる見込み額が手数料を上回るかどうかを先に試算し、上回らないと判断したときは、正直にそう申し上げます。
1社だけの提案を見て決めるより、比べてから決めたほうが、あとで振り返ったときに納得しやすい。買取を選ぶにしても仲介を選ぶにしても、そこは同じだと考えています。
なお、仲介で売り出す側の金額をどう置くかは、また別の判断になります。売り出し価格の決め方と、値下げの幅・時期をいつ決めておくかは売り出し価格の決め方|金利3.29%と値下げの時期で整理しました。
よくある質問
買取の査定額と、仲介の査定額は同じものですか?
性格が違います。買い取る会社にとっての査定額は自社が支払う金額で、低く見積もるほど自社の利益になります。仲介の査定額は売主様と一緒に目指す目標額です。同じ「査定」という言葉でも、どちらの立場から出た数字なのかを確認してください。
買取なら仲介手数料がかからないぶん、得ではありませんか?
手数料はかかりませんが、買取価格には再販経費・保有リスク・会社の利益があらかじめ差し引かれています。当サイトの試算例(磐田市・築25年の戸建て/市場価格2,000万円)では、手数料を払っても仲介のほうが約427万円多く残る結果になりました。物件や時期によって変わるため、必ず手元に残る額に直して比べてください。
急いで現金化したい場合、仲介では間に合いませんか?
まず期限から逆算した販売計画をお作りします。売り出し・反響の検証・価格の見直し・最終判断の時期を先に決めておけば、期限を守れることがあります。そのうえで期限内に難しいと判断される場合は、その事実も早い段階でお伝えします。
SELL WITH CONFIDENCE
早く売る方法ではなく、
多く残す方法から考えます。
無料で相談する →査定・初回相談は無料です。売却をお約束いただく必要もありません。当社が買主になることはありません(買取をお選びの場合は、複数社の見積もりを比較してご提示します)。

文責:大石 浩之(富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役/宅地建物取引士 静岡県知事 第027186号)
静岡県磐田市で不動産業を営んでいます。売却のご相談はかんたん入力のフォームから。
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