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リースバック手取り売買契約

リースバックの家賃負担|10月施行前の3確認

リースバック後の家賃・契約期間・修繕費を検討するイメージとして、自宅の食卓に家の模型、電卓、鍵と3組の白い書類を並べた写真調の生成画像
記事内容をもとに生成したイメージです。実在の場所・人物を撮影したものではありません。
この記事の結論Q. 家を売ったお金で、この先の家賃を払える? A. リースバックは、売却代金ではなく返済・諸費用を引いた手取りと、住む予定の年数分の家賃を比べます。月額だけでなく、契約期間・更新や再契約の条件、修繕費の負担も確認してください。2026年10月1日施行の国土交通省ガイドラインを踏まえ、家賃が上がる場合と予定より長く住む場合も試算してから判断します。

自宅を売ってまとまったお金を受け取り、同じ家で暮らす。引っ越しを避けたい売主様にとって、リースバックには意味があります。ただ、提案書の売却代金を見ただけでは、その家で何年暮らせるかは分かりません。売却後は、契約で定めた開始時期から家賃の支払いが続きます。

大石浩之(磐田市/不動産業)です。宅地建物取引士として、当社は売却後の資金計画まで並べて判断します。磐田市で自宅の売却を考える方にも、まず見ていただきたいのは受取額と支出の両方です。

10月1日施行は、家賃が安くなる約束ではない

2026年10月1日施行の新ガイドラインは、住宅のリースバックにおける宅地建物取引業法の解釈を明確にするものです。家賃の値下げや希望年数の居住を保証する制度として読むことはできません。

国土交通省の正式名称は「住宅のリースバック取引における宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(リースバックに関するガイドライン)」。2026年7月版の表紙に施行日が記載されています。2026年9月13日に本文と概要資料を確認しました。

国土交通省の概要資料では、家賃、契約期間・更新、修繕費の負担区分などが告知対象として整理されています。一方、売買価格・家賃の算定根拠や、売却代金と契約期間内の賃料合計額との関係の説明は、対応が望ましい事項です。すべてを同じ法的義務として説明するのは不正確です。

私は、売る条件と借りる条件を一緒に確認する方向を評価します。受け取る金額だけに目が向く場面で、毎月の負担にも目を戻せるからです。そのうえで当社は、説明を聞いて終えるのではなく、生活費を含めた残高表に直すところまで必要だと考えます。

確認1 家賃負担は「月額×12×居住年数」で見る

リースバックの家賃負担は、売却後の手取り額と、住む予定の年数分の家賃総額を並べて確認します。売却代金をそのまま家賃の原資にすると、ローン返済や売却費用に使うお金まで二重に数えてしまいます。

以下は相場や実際の提案ではなく、計算方法を示す仮定です。売却代金1,500万円、ローン返済400万円、売却時の諸費用100万円なら、残る現金は1,000万円です。諸費用100万円は仮置きで、当社の手数料見積もりではありません。税金が別途生じる場合の支払いも、この例には含めていません。

仮定した月額家賃5年間の家賃総額10年間の家賃総額1,000万円から10年分を引いた額
8万円480万円960万円40万円
10万円600万円1,200万円不足200万円

計算は月額×12か月×年数。期間中の家賃は一定で、生活費、修繕費、更新・再契約費用、保険料などは除外しています。10年住める契約であることを意味する表ではありません。

この例では、月8万円なら10年分の家賃を引いて40万円残ります。しかし40万円は、10年間の生活費を払った後の残高ではありません。家賃だけ払える計算と、暮らしを維持できる計算は別です。年金などから家賃を払える分があるなら、毎月の収入から生活費を引き、残る額だけを家賃の原資に加えます。

私はこう考えます。売却代金が大きく見えても、住む年数を掛けた家賃を横に置かなければ、暮らせるお金は見えない。1,500万円という見出しより、10年後に使える現金を先に見たい。金額を持ち主の負担へ換算するのが、当社の資金計画の出発点です。

家賃増額の影響も別の行に置きます。仮に月8万円で5年、その後の5年が月9万円なら、10年間で1,020万円です。月8万円のままの960万円より60万円増えます。これは値上がり予測ではなく、条件が変わった場合の耐久確認です。提示された増額条項を読んで、実際に置く数字を決めます。

ローン残高と決済時の返済額がまだ分からない場合は、先に金融機関へ確認します。返済と抵当権抹消の段取りは、住宅ローンの残債がある家を売るときの3手順で整理しています。

確認2 住みたい10年と、契約書の期間を分ける

家賃を10年分用意できても、契約によって10年住めるかは別に確認します。居住予定期間、契約満了日、更新または再契約の条件を、同じ紙に書き出してください。

国土交通省のガイドラインは、契約内容によって希望する期間の居住を継続できない可能性を示しています。賃貸借の種類や期間、更新についての説明を、売却の意思決定から切り離さない扱いです。

国土交通省の定期建物賃貸借Q&Aによれば、定期借家は更新がなく、期間満了で終了する仕組みです。再契約を想定している場合も、当事者間で合意できることが前提です。

当社は、普通借家か定期借家かという名称だけで判断せず、契約書の該当箇所を確認します。「再契約の相談ができる」と「その後も住む契約が成立している」は分けて考えます。

確認する質問は具体的にします。「満了後の居住は、どの条項に基づきますか」「再契約の可否はいつ分かりますか」「家賃や費用はそのときどう決めますか」。口頭の説明と契約書が食い違う場合は、署名前に書面を整えてもらいます。

私は、住み慣れた家を離れない価値を何万円と決めることには迷います。通院先や近所との関係は、引っ越し代だけでは測れません。それでも、住める期間が未確認のまま売る判断は勧めません。居住継続の条件が固まらなければ、通常の売却と転居の案も残します。

比較する際は、転居先の家賃、引っ越し費用、仮住まいの必要性を同じ期間で置きます。売る時期と次の住まいの確保は、住み替えの売り先行・買い先行の考え方も手がかりになります。

確認3 給湯器や雨漏りの費用を誰が払うか

リースバック後の修繕費は、「借家になるから全部払わなくてよい」と決めつけず、負担区分と特約を確認します。家賃以外の支出が残るなら、居住期間の資金計画に加えます。

国土交通省のガイドラインでは、修繕費用の負担区分も告知事項として挙げられています。売却後に大規模修繕費などの負担が不要となる場合があるという説明であり、どの契約でも借主負担がなくなるという意味ではありません。

当社は、給湯器、エアコン、屋根からの雨漏りなど、建物ごとの設備と不具合を項目にします。誰に連絡するか、修理の手配者は誰か、費用の負担者は誰かを別々に書きます。自分で業者を呼ぶ前に貸主の承諾が必要かも確認します。

修繕の見積もりがない段階なら、金額欄は「未確認」として残します。ゼロ円とは書きません。更新料や再契約費用、保証に関する費用、保険料、退去時の精算も、該当する定めがあるか確認します。費用名だけでなく、金額・支払時期・返還の有無まで聞いておくと、支払いが重なる月を見つけられます。

契約前に、手取りと支払いを一枚にそろえる

リースバックを選ぶ前に、売却時点の手取りと居住中の収支を一枚にそろえます。当社は買主にならず、買取・買取保証を率先して行いません。そのかわり、売主様の希望期間と資金の使い道から条件を比較します。

当社は買取やリースバックそのものを否定しません。引っ越しを避ける事情があり、期間と費用に納得できるなら検討する理由があります。当社が媒介として関与する場合は仲介手数料が発生します。比較で増える見込み額だけでなく、当社へ払う費用も手取り計算に入れます。

  1. 売却代金から返済、手数料、諸費用、見込税額を引き、使える現金を出す。
  2. 住みたい年数と契約で確認できる期間を分け、家賃と家賃以外の支出を積み上げる。
  3. 家賃増額、予定より長い居住、満了時の転居という条件を変えて、残高を見直す。

今日できるのは、売却の提案書と賃貸借契約書の案を両方取り寄せることです。家賃、満了日、修繕負担の3か所に印を付け、分からない箇所を質問にします。売却代金の比較自体がまだなら、買取の提案を受けたときの確認事項から着手できます。

当社は、早く買い取るより、1円でも多く売主様の手元へ残す立場です。リースバックではその「手元」を、決済の日だけで終わらせません。私は、住み続けた後の残高まで見てから案内します。

出典:国土交通省「住宅のリースバック取引における宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」(2026年7月版、本文1・4・5ページ)および概要資料。定期借家の説明は国土交通省「定期建物賃貸借 Q&A」Q1・Q2を参照。2026年9月確認(確認日:2026年9月13日)。

制度や契約条件は変更されることがあります。掲載した金額は説明用の仮定で、売却価格や家賃の相場ではありません。個別契約の解釈は宅地建物取引士や弁護士へ、税額は税理士へ、登記は司法書士へ確認してください。

よくある質問

売却代金を家賃で割れば、住める年数が分かりますか?

家賃だけの目安にはなりますが、住める年数とは一致しません。売却代金からローン返済と諸費用、見込税額を引き、生活費や修繕費も考慮する必要があります。家賃が一定かどうかも確認します。そのうえで契約満了日と更新・再契約の条件を照合し、資金上払える期間と契約上確認できる居住期間を分けて判断してください。

2026年10月1日からリースバックの家賃は下がりますか?

新ガイドラインは家賃の値下げを定めたものではありません。住宅のリースバックに適用される宅地建物取引業法の解釈を明確にするものです。家賃や契約期間、修繕費の負担などの告知事項と、売却代金・賃料総額の関係など説明が望ましい事項を区別しています。具体的な家賃と変更条件は提示書類で確認してください。

リースバック後の修繕費は誰が払いますか?

修繕の内容と契約条件によるため、借家になれば全額貸主負担とは決めつけられません。給湯器やエアコン、雨漏りなど項目ごとに、連絡先、手配者、費用負担者を契約書で確認します。特約の意味や有効性が分からない場合は専門家に確認してください。金額が未確定ならゼロ円扱いせず、資金計画では未確認として残します。

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富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役・宅地建物取引士の大石浩之

文責:大石浩之(富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役/宅地建物取引士 静岡県知事 第027186号)
静岡県磐田市で不動産業を営んでいます。売却のご相談はかんたん入力のフォームから。
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