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譲渡所得取得費売却準備手取り

不動産売却の取得費の調べ方|5%前の4資料

記事内容をもとに生成したイメージ:不動産売却の取得費の調べ方|5%前の4資料
記事内容をもとに生成したイメージです。実在の場所・人物を撮影したものではありません。
この記事の結論Q. 購入時の契約書が見つからないと、取得費は売却額の5%ですか? A. すぐに5%へ決めません。国税庁は、取得費が不明か実額が売却額の5%未満なら、5%を概算取得費にできると案内しています。先に①売買契約書一式、②決済精算書・領収書、③建築・増改築資料、④ローン・通帳・申告控えを探し、税務署か税理士へ実額の扱いを確認します。

査定価格、住宅ローン残債、仲介手数料は並んだのに、手取り表の税額欄だけが空白。購入時の契約書がなく、計算の入口となる取得費を置けないからです。売却後の手元額を先に見たい持ち主の方ほど、税率を調べる前にこの空欄と向き合うことになります。

仮に2,000万円で売れた場合、5%は100万円です。しかし、契約書がないことと、取得費が100万円で確定することは同じではありません。5%案と実額案を分けたまま、先に4群の資料を当たるのがこの記事の答えです。

5%は税率ではなく、取得費の代わりに置く金額

国税庁タックスアンサーNo.3202は、土地・建物の取得費が分からない場合、または実際の取得費が譲渡価額の5%より少ない場合、譲渡価額の5%を概算取得費にできると案内しています。ページの基準日は2026年4月1日です。

取得費とは、売った家を手に入れるためにかかった金額です。国税庁は、購入代金や購入手数料などに、後の改良費や設備費などを加えると説明しています。建物については、所有期間中の減価償却費相当額を差し引きます。昔の売買契約書に書かれた代金を、そのまま全額使うとは限りません。

5%は売却代金へ掛ける税率ではありません。2,000万円で売る例なら、100万円を取得費として収入金額から差し引く扱いです。5%案と実額案は混ぜず、どちらかで計算します。税額は、譲渡費用、特別控除、所有期間なども確認してから求めます。長期・短期の分かれ目は不動産売却の税率が変わる境目で整理しています。

資料が残っていない家でも計算を止めずに済む。ここは5%の助かる点です。ただ、当社から一つ注文するなら、5%を最初の答えにしないことです。本来探せた取得費まで手放しかねません。使えるかどうかは資料ごとに税務署か税理士へ確認するとしても、探索を先、5%を後に置く順番は崩さないほうがよいと私は考えます。

5%へ進む前に探す4資料

当社が取得費の確認で先に探すよう案内するのは、①購入契約、②決済時の費用、③建築・増改築、④資金移動と過去の申告に関する4群です。国税庁が指定する4点ではなく、実額へ戻る手掛かりを落とさないための当社の確認順です。

資料群探す物分かること・注意点
1. 購入契約売買契約書、契約関係の控え、重要事項説明書購入代金、取得日、相手方、不動産の内訳をたどる中心資料です。重要事項説明書だけで代金を確定できるとは限りません。
2. 決済時の費用決済精算書、仲介手数料などの領収書、登記関係の明細購入代金以外に支払った費用の候補を拾います。取得費へ入る範囲は費目ごとに確認します。
3. 建築・増改築工事請負契約書、見積書、請求書、領収書、設備の明細新築費、改良費、設備費の手掛かりです。建物は減価償却費相当額を差し引くため、支払額だけで決めません。
4. 資金移動・申告住宅ローン契約、返済予定表、通帳、振込控え、過去の確定申告控え購入年、支払先、金額をたどり、別の資料を探す糸口にします。借入額や通帳記録だけで購入代金を確定したとは扱いません。

相続した家では、亡くなった方が取得した時の購入・建築資料を中心に探します。相続時の評価額だけを見て終えません。相続時に支払った費用の資料も捨てず、同じ箱へ入れてください。何を取得費へ含めるかは別の判断として、税務署か税理士へ一式で確認します。実家の書棚だけでなく、貸金庫、古い確定申告袋、工事保証書をまとめた箱も確認先です。

契約書の原本を売主と買主が何通持つかは取引ごとに違います。写しが見つかった場合は、署名押印や原本証明の有無を含め、資料の状態をそのまま残してください。売買契約書の原本と写しの扱いは不動産売買契約書の印紙税でも説明しています。

家になければ、相手方とお金の記録を順にたどる

購入契約、決済時の費用、建築・増改築、資金移動・申告の4群が手元にない場合、当社では購入時の仲介会社・売主、建築会社、金融機関、当時の申告を扱った税理士の順に、写しや取引記録が残っているかを照会するよう案内します。保存状況や本人確認の方法は照会先で異なり、回答や再発行を約束できるものではありません。

  1. 登記事項証明書や手元の書類から、取得年と当時の名義を一枚に書く。
  2. 会社名、金融機関名、支店名、工事会社名を拾い、現在の連絡先を確認する。
  3. 「契約書の写し」「決済精算書」「工事代金の明細」など、欲しい資料名を具体的に伝える。
  4. 受け取った物は出所と受領日を付け、税務署か税理士へ一式で見せる。

照会用メモを一枚作る

照会先へは、取得した年、当時の名義、土地・建物の所在地、分かれば契約日を伝えます。その上で、売買契約書の写し、決済精算書、工事代金の明細など、探している資料名を一つずつ挙げます。「昔の資料はありますか」だけでは、相手も探す範囲を決められません。本人確認や相続関係の確認を求められたら、照会先が指定する方法に従います。

探索台帳には、資料名、対象年、保管しそうな人・会社、連絡日、回答期限、結果の6列を置きます。紙がなければ、当時のメールを「売買契約」「決済」「精算」「仲介手数料」「工事」「住宅ローン」で検索します。見つけたデータは一部だけ切り取らず、全ページを保存し、誰から受け取ったかも記録します。ご家族で一枚を共有すれば、同じ会社へ重ねて照会することも避けられます。

固定資産税評価額、住宅ローンの借入額、不動産広告の価格は、購入代金や土地・建物の内訳と一致するとは限りません。数字が見つかったことと、取得費として十分な資料かどうかを分けます。複数の手掛かりが同じ金額を示しても、個別の立証方法を当社が決めることはできません。

私は、契約書がない段階で5%の数字だけを確定額のように出すべきではないと考えます。一方で、資料探しを期限なく続ければ販売準備が止まります。どこで探索を切り上げるかは、今も一律の答えを持っていません。だから当社は、照会先と返答期限を紙に書き、期限が来た時点で税務署か税理士へ相談する段取りにします。

税額の前に、取得費を2案で手取り表へ置く

売却後の税額を先に見たいときは、概算取得費5%の案と、資料から検討する実額案を同じ表に置きます。どちらかを早々に正解とせず、差が売却判断へ与える大きさを先に見ます。

2,000万円で売る仮定取得費取得費だけを差し引いた残額
5%を使う案100万円1,900万円
実額が認められる案1,000万円1,000万円

※ 比較のための仮定です。実額案の1,000万円は、建物の減価償却費相当額を差し引いた後に取得費として認められた場合を置いています。差の900万円は税額ではありません。譲渡費用と特別控除もまだ差し引いていないため、実際の譲渡所得や税額を示す表ではありません。

税務署や税理士へ渡す表には、各金額の横へ「確定」「資料確認中」「仮置き」の欄を付けます。5%の100万円は仮置き、実額の1,000万円は確認を受ける候補です。売却価格にも成約前は幅があります。どの数字が動くのかを残しておけば、資料が一つ見つかった時に表全体を作り直さず、該当する一行だけを差し替えられます。

この例では、取得費だけを差し引いた残額が900万円違います。税率の小数点より先に、取得費の入口を確かめる意味が見えます。売却時期による税率の違いだけを精密に計算しても、取得費を5%で置くか実額で置くかが未確定なら、手取りの見通しは固まりません。

自宅なら自宅売却の3,000万円控除と買換え特例、相続した空き家なら空き家の3,000万円控除も別に確認します。取得費が分かった後に特別控除が使えるかを見て、最後に税率を当てる順番です。制度ごとに要件と期限が違うため、物件ごとの適用は税務署か税理士へ確認してください。

当社は税額を決めず、資料と販売計画を同じ机に置く

当社は取得費の税務判断や申告額の確定をしません。そのかわり、売主の方が持つ資料を4群に分け、売却価格、仲介手数料、登記などの費用、住宅ローン残債と同じ手取り表へ載せます。税の確認待ちで販売計画全体を見失わないためです。

当社が買主になることもありません。買取や買取保証を率先して行わず、市場で売る案を基準に、売却価格から費用を引いた見込み手取りを示します。取得費が未確定なら、5%案と実額案の両方を残し、どの数字が仮置きかを明記します。手取り額で考える当社の仲介方針も、売却価格だけで判断しない点は同じです。

今日、売ると決める必要はありません。まず30分だけ、購入契約、決済費用、建築・増改築、資金移動・申告の4つに箱や封筒を分けてください。見つからない物には照会先と返答期限を書きます。それだけで、5%しかない状態から、5%も含めて比較できる状態へ進めます。

※ 出典:国税庁「No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」(2026年9月8日確認。ページ上の基準日は2026年4月1日現在法令等)。税の制度・数値・必要資料の扱いは変わることがあります。取得費、減価償却、譲渡所得、特例の適用に関する個別判断は、税務署または税理士にご確認ください。登記や相続の個別判断は司法書士などの専門家にご確認ください。

よくある質問

購入時の売買契約書がなければ、取得費は売却額の5%で決まりますか?

5%で決まるわけではありません。国税庁は、取得費が分からない場合、または実額が譲渡価額の5%より少ない場合に、5%を概算取得費として使えると案内しています。購入契約、決済時の領収書、建築・増改築資料、資金移動や申告の記録を先に探し、実額を示せるか税務署または税理士へ確認します。

相続した不動産は、相続時の評価額を取得費にできますか?

相続時の評価額をそのまま取得費にできるとは限りません。亡くなった方が土地・建物を取得した時の契約書、建築資料、決済記録を中心に探し、相続時に支払った費用の資料も残してください。建物の減価償却費相当額を含め、どの資料と金額を取得費へ使うかは、税務署または税理士へ一式を見せて確認します。

住宅ローンの契約書や通帳があれば、取得費の証明になりますか?

借入額や振込額は、購入代金や土地・建物の内訳と一致するとは限りません。単独で取得費の確認に十分かは個別判断です。ただし、購入年、金融機関、支払先、金額をたどり、売買契約書や決済精算書の写しを探す手掛かりになります。資料名、出所、受領日を一覧にし、どこまで実額の確認に使えるかを税務署または税理士へ相談します。

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富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役・宅地建物取引士の大石浩之

文責:大石浩之(富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役/宅地建物取引士 静岡県知事 第027186号)
静岡県磐田市で不動産業を営んでいます。売却のご相談はかんたん入力のフォームから。
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