中古住宅売却と省エネラベル|2026年の3資料

築年数が進んだ戸建てを売る前に、「省エネラベルがないと、買い手から見て不利なのか」と気になる持ち主の方は少なくありません。広告に貼るラベルの星が、そのまま査定額になるわけではないからです。
2026年9月4日に国土交通省の制度ページを確認すると、2026年4月に広報物と補助要件の参考資料が追加されていました。この記事では、売却前に見る3資料と、査定書へ残す情報を、費用と手取りの順番で整理します。
省エネラベルは、査定額の値札ではない
中古住宅の省エネラベルは、家の価格を決める値札ではなく、買い手が性能を比較するための情報です。ラベルがないことだけで売却価格が決まる仕組みではありません。
国土交通省の「建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度」は、販売・賃貸事業者が広告などへ性能を表示し、購入者や借り手が把握・比較できるようにする制度です。2024年4月以降、新築建築物の広告では表示が必要です。一方、既存建築物は表示が推奨される扱いで、表示しない場合に同じ勧告の対象となるわけではありません。
ここで意外なのは、既存住宅では建築時の性能評価がないため、住宅全体の省エネ性能ラベルを作りにくい場合があることです。国土交通省は2024年11月から、窓や給湯器など改修した部位を示す「省エネ部位ラベル」を運用しています。古い家にラベルがないことを、性能がないことと読み替えないための仕組みです。
言い切ります。省エネラベルは、査定額を自動で押し上げる券ではありません。買い手が判断しやすくなる材料であり、査定では表示の根拠、評価日、作成方法、費用を一緒に示して初めて働きます。
2026年に確認する3資料
2026年に中古住宅を売る持ち主の方は、ラベルの説明資料を3つに分けて見ると、何を準備するかが分かります。
- 省エネ性能ラベル:エネルギー消費性能と断熱性能を、星や数値で表示します。再エネ設備の有無、目安光熱費、自己評価か第三者評価か、建物名称、評価日も確認します。住戸ラベルの目安光熱費は任意項目で、表示がない場合もあります。
- 既存住宅の省エネ部位ラベル:住宅全体の性能把握が難しい既存住宅で、改修した部位を示します。窓と給湯器のどちらか一方は主たる表示項目となり、一定の要件を満たす場合にチェックが付きます。評価日と現況確認者の表示も見ます。
- 省エネ性能表示制度パンフレット:国土交通省が2026年4月1日に広報物へ追加した消費者向け資料です。ラベルを買い手へどう説明する制度なのかを確認する入口になります。
国土交通省の同じ制度ページには、2026年4月14日に「住宅省エネ2026キャンペーン」の補助要件に関する参考資料も追加されています。こちらはラベルそのものの証明書ではなく、改修を検討するときに、補助の条件と性能表示を混同しないための補助線です。
3資料の役割は同じではありません。省エネ性能ラベルは住宅全体の表示、部位ラベルは改修箇所の表示、パンフレットは制度の読み方です。売却広告へ載せる前に、どの資料を根拠にした情報なのかを分けておくと、買い手の質問に答えやすくなります。
築年数が進んだ戸建ては、書類を3欄に分ける
築年数が進んだ戸建てでは、ラベルを作れるかどうかより、手元の証明資料を「表示」「根拠」「費用」の3欄に分けることが先です。
| 欄 | 確認するもの | 査定書に残すこと |
|---|---|---|
| 表示 | 省エネ性能ラベル、または省エネ部位ラベル | 表示の種類、対象部位、評価日 |
| 根拠 | 評価書、改修工事の請求書、設備の型番、窓の仕様 | 自己評価か第三者評価か、確認できる範囲 |
| 費用 | 発行・調査費用、改修費、補助の対象見込み | 売却価格へ反映する見込みと手取り |
建築時の図面や仕様書が残っているなら、住宅全体のラベルを作れる可能性があります。書類がない場合は、窓のサッシとガラス、給湯器の型番、太陽光発電などの有無を写真と資料で拾います。根拠が確認できない部分は、性能があると決めつけず「未確認」と残します。
2025年4月以降の省エネ基準適合義務や、木造戸建ての建築確認を売却時の既存住宅へそのまま当てはめることもできません。建て替えや増改築の予定がある家は、建築基準法改正2025年4月と中古住宅の売却を確認し、個別の建築可否は建築士や行政窓口へ相談してください。
磐田市で売却する場合も、ラベルだけでなく、道路、土地面積、築年、雨漏りや修繕履歴を同じ査定資料に置きます。地域での売却相談の入口は磐田市の不動産売却エリア情報にまとめています。
長期優良住宅の認定がある家では、省エネ表示とは別に、買主への承継承認と維持保全の記録も整理します。長期優良住宅の売却と認定承継の3つの疑問で、申請担当と証明資料を確認してください。
価格に効くのは、星の数より比較できる説明
省エネラベルが売却に役立つのは、買い手が光熱費や冬の寒さを考える材料を増やせるからです。査定で評価するのは星の数だけでなく、表示の信頼性と、買い手が追加で確認できる情報です。
良い点は3つあります。第一に、広告で性能の話を始めるきっかけになります。第二に、窓や給湯器など、改修した場所を具体的に伝えられます。第三に、ラベルがない家でも、評価日や未確認部分を明示して、説明を止めずに済みます。
そのうえで注文したいのは、ラベルの取得費用を売価へそのまま上乗せしないことです。買い手が評価するのは表示だけではなく、立地、間取り、状態、住宅ローンの組みやすさ、引渡し時期も含めた総額です。ラベルを作る費用をかける前に、現状売却、必要な修理、性能評価の3案で手取りを比べます。
売却前の一式リフォームと省エネ改修は目的が違います。工事をするか迷う場合は、家売却でリフォームしない案と2026年の補助も読み、工事費、補助見込み、販売開始までの日数、売価への反映見込みを同じ表へ置いてください。
ここからは、体験ストックにないため、実話ではなく私の判断として書きます。私は、売り出す前にラベルを作るべきか迷うことがあります。表示があれば買い手の質問には答えやすくなりますが、発行・調査の費用と時間が、売価や成約の可能性へどれだけ返るかは物件ごとに違います。評価書が残れば説明はしやすくなります。しかし、資料が増えたからといって、買い手が同じ金額を評価するとは限りません。だから、ラベルを作ること自体を目的にせず、査定書に「作る場合」「作らない場合」の手取りと販売計画を並べるように案内します。売却を急ぐ材料ではなく、売主様が選ぶための比較表にします。
当社がやらないことは、省エネ性能の表示だけを理由に査定額を上げ、買い手が決まるように見せることです。そのかわりに、当社はラベルの種類と根拠、未確認部分、発行や改修の費用を販売資料へ書き、成約事例や現在の競合と一緒に説明します。中古戸建の相場指数や査定の読み方は、中古戸建売却相場と2026年5月指数にも整理しています。
今日できる確認は、資料を集めてから決めること
今日できるのは、ラベルの発行を決めることではなく、売却の判断材料を揃えることです。次の順番なら、売るかどうかを急いで決めずに済みます。
- 国土交通省の制度ページから、3資料の役割と既存住宅の表示の扱いを確認する。
- 図面、評価書、窓・給湯器の資料、改修工事の請求書を一つの袋へ集める。
- 査定書へ「表示・根拠・費用」の3欄を作り、未確認の項目を空欄のままにしない。
- 現状売却、必要な修理、性能評価を比べ、売却価格ではなく手取りと販売開始日で選ぶ。
当社は買主にならず、買取を率先して行いません。仲介で売る場合は、省エネ性能の資料も含めて買い手へ開示し、売主様の手元に残る額と販売計画を説明します。買取や買取保証を選ぶ場合も否定せず、期限、価格、手数料、引渡し条件を並べて判断していただきます。売却方法の違いは手取り額で考える仲介の説明も参照してください。
省エネラベルがない家でも、売却の材料は作れます。今日、結論を出す必要はありません。まず書類を集め、表示できる範囲と費用を確かめる。その一手が、ラベルの星に引っ張られず、家全体の手取りを考える土台になります。
出典:国土交通省「建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度」(2026年9月4日確認)。同ページの2026年4月1日・4月14日のお知らせ、既存住宅の省エネ部位ラベルの説明を参照しました。制度・表示要件・補助の条件は変わることがあります。建築、税務、登記などの個別判断は、建築士、税理士、司法書士など各分野の専門家へ確認してください。
よくある質問
中古住宅に省エネラベルがないと、売れませんか?
売れないと決まるわけではありません。既存建築物の省エネ性能表示は推奨されていますが、新築広告と同じ扱いではありません。住宅全体の評価が難しい場合は、窓や給湯器などの改修を示す省エネ部位ラベルを検討できます。ラベルの有無だけでなく、立地、状態、価格、手取りを並べて売り方を決めます。
省エネ部位ラベルは、何を準備すればよいですか?
窓のサッシ・ガラスの仕様、給湯器の種類、改修工事の請求書や型番が分かる資料を集めます。窓と給湯器のいずれかは主たる表示項目で、要件を満たすとチェックが付きます。評価日や現況確認者の表示も確認し、資料がない部分は未確認として残してください。
省エネラベルを作れば、査定額は上がりますか?
査定額が自動で上がるわけではありません。発行・調査費用、改修費、販売開始までの日数に対して、買い手へ伝わる価値があるかを比べます。当社は現状売却、必要な修理、性能評価の案を並べ、成約事例や競合と合わせて手取りで説明します。個別の表示要件は専門家へ確認してください。
SELL WITH CONFIDENCE
早く売る方法ではなく、
多く残す方法から考えます。
無料で相談する →査定・初回相談は無料です。売却をお約束いただく必要もありません。当社が買主になることはありません(買取をお選びの場合は、複数社の見積もりを比較してご提示します)。

文責:大石浩之(富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役/宅地建物取引士 静岡県知事 第027186号)
静岡県磐田市で不動産業を営んでいます。売却のご相談はかんたん入力のフォームから。
記事の内容は公開時点の一般的な情報です。税務・登記・相続の個別のご判断は、税理士・司法書士など各分野の専門家にご確認ください。