専任媒介と一般媒介の違い|売主の手取りと報告頻度で比べる3基準

専任媒介と一般媒介、どちらが売主の手取りを増やすか
「家を売りに出すとき、1社に任せる専任媒介と、何社にも声をかける一般媒介のどちらが有利ですか?」というご相談を、私は実務で日常的に受けています。宅地建物取引業者としての大石浩之(磐田市/不動産業)から申し上げますと、この選択は単なる契約形式の違いではなく、「売主様の手元に最終的にいくら残るか(手取り額)」と「囲い込みリスクをどう防ぐか」という戦略の根幹に関わります。
サイトの背骨である『早く買い取るより、1円でも多く売主様の手元へ』の立場から、両者の違いを整理します。当社は買主になること(自社での買取)を率先して行いません。仲介として広く市場に物件情報を公開し、最も良い条件を出してくれる買い手を募る方針です。どちらか一方の契約形態を一律に否定するのではなく、売主様の事情に応じた比較基準を提示します。
宅建業法が定める3つの媒介契約と報告義務
宅地建物取引業法第34条の2において、媒介契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類が規定されています。e-Gov法令検索にて2026年9月12日に条文原文を確認しました。主な法定義務の比較は以下のとおりです。
| 契約の種類 | 契約期間の上限 | レインズ登録義務 | 業務処理状況の報告義務 | 自己発見取引 |
|---|---|---|---|---|
| 一般媒介 | 法令上の上限なし(標準約款は3か月) | 任意(義務なし) | 任意(義務なし) | 可能 |
| 専任媒介 | 3か月 | 契約から7日以内 | 2週間に1回以上 | 可能 |
| 専属専任媒介 | 3か月 | 契約から5日以内 | 1週間に1回以上 | 不可(自社仲介のみ) |
専任媒介の最大のメリットは、国土交通大臣指定の流通機構「レインズ(REINS)」への登録義務(7日以内)と、2週間に1回以上の文書等による活動報告義務が法律で課されている点です。これにより、受託した不動産会社が放置することを防ぎ、販売活動の進捗を定期的に把握できます。
一方、一般媒介は複数社と同時に契約できるため、一見すると競争原理が働くように思えます。しかし、一般媒介にはレインズ登録義務も活動報告義務もありません。そのため、熱心に広告費を投じて買い手を探す会社が現れにくく、かえって販売が長期化してしまうリスクを内包しています。
囲い込みを防ぎ、手取りを守るための3つのチェック基準
専任媒介を選ぶ際に最も警戒すべきなのは、不動産会社が自社で買主も見つけて両手仲介手数料を得ようとする「物件の囲い込み」です。他社からの案内問い合わせに対して「商談中です」と虚偽の断りを入れて市場から物件を隠す行為は、売主様の手取りを損なう重大な背信行為です。
当社は囲い込みを徹底的に排除し、レインズ登録証明書を必ず売主様に交付してステータスを確認できるようにしています。売主様が契約前に確認すべきチェック基準は以下の3点です。
- レインズ登録証明書の即時交付:登録完了時に発行される登録証明書を、書面またはPDFで確実に受領できるか確認します。
- 広告掲載のオープン化:ポータルサイト(SUUMOやHOME'Sなど)への他社掲載を原則承諾し、広く市場に情報を開放しているかを確かめます。
- 解任条件と期間の明示:3か月の契約期間満了時に、活動内容に不満があればペナルティなしで一般媒介へ切り替え、または他社へ変更できることを契約約款で確認します。
当社は買主になることを率先して行いません。あくまで仲介のプロとして、売主様の利益を守り抜く姿勢を貫きます。個別の査定額や販売スケジュールは、物件状況報告書や付帯設備表と合わせて丁寧にご相談に応じます。
よくある質問
一般媒介契約で複数の会社に依頼したほうが早く売れますか?
立地や価格条件が非常に魅力的で即座に買い手がつく物件であれば、一般媒介で複数社に競わせるメリットがあります。しかし、標準的な戸建て住宅では各社の広告責任が薄れ、報告義務もないため放置されるリスクがあります。一概に一般媒介のほうが早いとは言えません。
専任媒介契約を結んだ後で、途中で他社に変えることはできますか?
専任媒介契約の有効期間は最長3か月です。期間満了時に更新せず、他社へ切り替えることは完全に自由です。また、不動産会社に明らかな義務違反(活動報告を怠る、虚偽の報告をする等)があった場合は、期間途中であっても契約を解除できます。
専任媒介を結ぶと、自分で見つけた親族や知人に売ることはできませんか?
専任媒介契約であれば「自己発見取引」が認められているため、売主自身で見つけた買い手と直接契約することが可能です(実費分等を除く仲介手数料は不要)。一方、「専属専任媒介契約」の場合は自己発見取引も制限され、不動産会社を通す必要があります。
SELL WITH CONFIDENCE
早く売る方法ではなく、
多く残す方法から考えます。
無料で相談する →査定・初回相談は無料です。売却をお約束いただく必要もありません。当社が買主になることはありません(買取をお選びの場合は、複数社の見積もりを比較してご提示します)。

文責:大石浩之(富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役/宅地建物取引士 静岡県知事 第027186号)
静岡県磐田市で不動産業を営んでいます。売却のご相談はかんたん入力のフォームから。
記事の内容は公開時点の一般的な情報です。税務・登記・相続の個別のご判断は、税理士・司法書士など各分野の専門家にご確認ください。