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土地売却準備登記

公図の取り方|土地売却前の3手順

木の机に広げた架空の土地の区画図と書類入れ、虫眼鏡、鉛筆。土地売却前に公図と手元の資料を照合する準備を表した生成イメージ。
記事内容をもとに生成したイメージです。実在の場所・人物を撮影したものではありません。
この記事の結論Q. 土地を売るか考えています。公図はどう取ればいいですか? A. 所在・地番を確認し、地図証明書を請求して、受取後に対象地と隣接地を照合します。オンライン請求でも証明書は郵送か窓口で受け取ります。公図だけで現地の境界や売却条件は確定しません。

土地を売るか考え始めたけれど、査定を頼む前に何をそろえればよいのか。手元に固定資産税の通知書はあっても、土地の並びが分かる図面はない。そんなときは、公図の取得から始める方法があります。売却の申込みとは別の、判断材料を集める作業です。

大石浩之(磐田市/不動産業)です。宅地建物取引士として、私は図面を集めることより、どの土地の何を確認したいのかを先に整理したいと考えます。磐田市の不動産売却でも、当社は資料と現地を照合するところから考えます。

国土交通省は毎年10月を「土地月間」、10月1日を「土地の日」と定めています。2026年版のポスターも掲載されています。2026年10月9日に公式案内を確認しました。私は、10月を売却の締切にする必要はないと考えます。自分の土地の資料を一度開くきっかけにすれば十分です。

手順1|住所と分けて所在・地番をそろえる

公図を請求する準備は、土地の所在と地番を確認することです。地番は登記で土地を特定する番号です。郵便の宛先に使う住所の番号を、そのまま入力すればよいとは限りません。

登記情報提供サービスの公式案内も、不動産を特定するときは住所(住居表示)ではなく、地番または家屋番号を用いると説明しています。土地の図を探す今回は地番です。建物の家屋番号や、課税資料の管理用番号と混同しないよう、番号だけでなく欄の名前を見ます。

私は、手元の登記事項証明書や権利証等を開き、「所在」「地番」を紙に写す順番を勧めます。課税明細がある場合は、土地の表示も並べて照合します。敷地が登記上はいくつかの土地に分かれている場合に備え、分かる地番を省略せず書き出します。土地の数え方は「筆」です。

請求前のメモ書く内容迷ったときの扱い
所在市町村・大字など、登記資料にある表示普段使う住所へ勝手に置き換えない
地番枝番を含む土地の番号読めない数字は推測で埋めない
対象の範囲確認したい土地の地番一覧自宅の敷地だから1筆とは決めない
取得済み資料図面の名称・取得日・保管する人家族や相談先と重複請求を避ける

古い資料と現在の表示が一致しないときは、管轄の法務局に照会する段階です。合筆・分筆などの経緯を知らないまま、似た番号の土地を選ばないでください。名義や登記上の面積を読む書類は、公図とは別です。用意する順番は登記事項証明書の取り方で説明しています。

相談先に連絡するなら、「この所在・地番の土地について、売却検討用に公図を確認したい。手元にはこの資料がある」と伝えれば、確認の目的が伝わります。原本を探す作業と、足りない資料の取得を分けるだけでも、家族の役割を決めやすくなります。

手順2|必要な資料と受取方法を選んで請求する

証明書として公図を取得したい場合は、地図証明書の交付請求を選びます。オンラインの入口は、法務省の登記・供託オンライン申請システムです。「登記事項証明書/地図・図面証明書の交付請求」の案内から進めます。

法務省の手続案内では、申請用総合ソフトと、Webブラウザの「かんたん登記・供託申請」の両方に対応しています。この証明書の交付請求に電子署名は不要です。不動産の権利を変更する登記申請とは、必要な準備が違います。

  1. 公式案内から「かんたん登記・供託申請」へ進み、初回は申請者情報を登録してログインする。
  2. 地図・図面証明書の請求で対象の土地を指定し、所在・地番と請求する資料の種類を確認する。
  3. 郵送か窓口受取を選び、送付先または受取先、必要な通数を確認して請求する。
  4. 請求後の処理状況と納付情報を確認し、案内された手数料を納付する。受取方法に応じた案内を控える。

意外に思われるかもしれませんが、オンライン請求と、証明書のオンライン受取は同じではありません。法務省の案内で、この手続の交付方法は「送付又は窓口交付」です。送信した時点で証明書のPDFが手に入るつもりで、査定の日程を組まないようにします。

私は、オンラインで請求でき、電子署名の準備も不要な点を便利だと評価します。申込みのためだけに移動する負担を減らせるからです。ただ、初めて使う方には「請求」と「受取」の区別が分かりづらい。案内するときは、受取方法まで一緒に決める必要があると考えます。

証明文が不要で、まず図の内容を確かめたい場合は、登記情報提供サービスという別の選択肢があります。同サービスは有料で、地図情報などをPDFで確認・保存できます。証明文や公印は付かないため、証明書を求められた場面で同じものとして出すことは避けます。

私は、査定の相談先に「地図情報のPDFで足りるか、地図証明書が必要か」を先に聞くよう勧めます。ここは迷うところです。紙の証明書を最初からそろえる安心感はありますが、確認目的だけなら余分な取得になることもあります。提出先と用途を決めてから選ぶ方が、取り直しを抑えられます。

手数料や利用時間、操作画面は変更されることがあります。本稿は金額を固定せず、請求時の公式案内と納付情報で確認する手順にしています。オンラインで対象が見つからない場合や窓口での請求を希望する場合は、管轄の法務局へ対象地と希望する資料を伝え、取得方法を確認してください。

手順3|受け取った公図を3か所照合する

公図を受け取ったら、対象地の所在・地番、隣接する土地との並び、図面の種類の3か所を照合します。図を入手したことと、土地の境界が確認できたことは別です。まずは請求した土地の資料になっているかを見ます。

国土交通省の地籍調査Webサイトは、正確な測量に基づく地図と、旧土地台帳附属地図、いわゆる公図を区別しています。登記所の図面だから、どれも同じ精度というわけではありません。隣接関係を知る資料と、現地で境界を復元するための資料を同一視しないことが出発点です。

照合する箇所売却前に残すメモ
対象地の所在・地番手順1の一覧と一致するか。確認したい地番の抜けがないか
周囲の地番と土地の並び現地で思い浮かべる隣地や通路の位置と、違って見える箇所はどこか
図面の種類・表示内容地図か地図に準ずる図面か。取得日とともに記録する

図面の線を定規で測って「間口は何メートル」と販売条件に使ったり、通路らしい形だけで道路の扱いを決めたりしないでください。当社は、公図の線だけで境界や建築の可否を言い切りません。そのかわり、現地、測量資料、道路に関する資料を分けて照合し、追加の確認先を整理します。

気になる点は、公図の原本とは別のコピーに印を付けて残すと相談しやすくなります。「この線が違う」だけでなく、「現地ではここに塀がある」「通路の位置が分からない」と疑問を書き添えます。塀の位置を境界と決めるためではなく、専門家に見てもらう箇所を伝えるためです。

境界の資料が足りない場合の費用と段取りは、境界確定測量の費用で別に整理しています。公図の取得料と測量費を一緒に考えないでください。測量が要るか、どこまで調べるかは、既存資料と現地の状態を見て土地家屋調査士等に確認します。

公図を取っても、売るかどうかは決めなくていい

公図をそろえた段階の成果は、売却を決断することではなく、確認済みの事項と未確認の事項を分けられることです。査定価格を見る前に、対象地と資料の不足が分かれば、売り方を比べる準備になります。

私はこう考えます。公図を取った日を、売ると決める日にしなくていい。「書類まで取ったのだから売らなければ」と考える必要はありません。資料が一つ増えれば、今日はそこまででよい。迷っている方に先に必要なのは、決断の勢いより、迷っている理由を具体的にする材料です。

当社は買主にならず、買取・買取保証を率先して行いません。そのかわり、仲介での売却を軸に、確認に必要な費用や販売の段取りを整理します。早く買い取るより、1円でも多く売主様の手元へ。そのためにも、公図があるだけで「調査費は不要」と見積もることはしません。買取という選択肢自体を否定するものでもありません。

図面を確認した後には、面積の違いを売買代金にどう反映するかという論点も残ります。これは取得方法とは別の契約条件です。公簿売買と実測売買の違いを読み、査定時には「この金額は、どの面積と調査条件を前提にしていますか」と聞いてください。

今日できる確認は、土地の所在・地番を1枚の紙に書き出すことです。すでに公図があれば取得日を添え、分からない箇所を1つだけ記します。私は、分からないことを残したままでも相談を始めてよいと案内します。個別の境界・測量は土地家屋調査士、権利の登記は司法書士など専門家に確認してください。

出典と確認日

本記事の手続・資料の説明は、以下の一次情報を2026年10月9日に確認しています。土地月間の案内ページには公表日の記載がないため、確認日を記載しています。

制度・手数料・提供対象は変更される場合があります。公図の見方や取得の可否は対象の土地で異なります。取得手続は法務局、個別の境界・登記の判断は土地家屋調査士・司法書士など専門家に確認してください。

よくある質問

住所しか分からなくても公図を取れますか?

請求の前に土地の所在・地番を特定します。郵便の住所と登記上の地番は一致しない場合があります。手元の登記事項証明書や権利証等を確認し、課税明細の土地の表示とも照合してください。見つからないときは、住所と手元の資料を伝えて管轄の法務局に確認します。似た番号を推測で入力しないことが出発点です。

オンラインで公図をPDFとして受け取れますか?

地図証明書をオンライン請求した場合、証明書は送付または窓口交付で受け取ります。確認用の地図情報をPDFで取得したい場合には、有料の登記情報提供サービスがあります。ただし証明文や公印は付きません。査定の相談先や提出先に、確認用の情報で足りるか、証明書が必要かを聞いてから選んでください。

公図を取れば、境界確定測量は不要ですか?

公図の取得だけでは、境界確定測量が不要とは判断できません。登記所の図面にも種類や精度の違いがあり、現地の塀や通路との関係は追加確認が必要な場合があります。手元の測量図や境界に関する資料もそろえ、土地家屋調査士等に確認してください。測量を行うかどうかと、公図を取るかどうかは別の判断です。

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富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役・宅地建物取引士の大石浩之

文責:(富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役/宅地建物取引士 静岡県知事 第027186号)
静岡県磐田市で不動産業を営んでいます。売却のご相談はかんたん入力のフォームから。
記事の内容は公開時点の一般的な情報です。税務・登記・相続の個別のご判断は、税理士・司法書士など各分野の専門家にご確認ください。