家の売却写真の撮り方|ネット掲載前の7枚

仲介で家を売り出すとき、写真は不動産会社に任せればよいのか。売主様も撮っておくなら、片付けてから何を何枚撮ればよいのか。広告公開の日が近づくほど、この順番で迷います。
最初に用意するのは、外観、玄関、リビング、キッチン、水回り、主寝室、眺望・庭の7枚です。枚数を増やす前に、買主が「道路から家へ入り、生活し、外を見る」順で並べます。スマートフォンでも、水平、明るさ、写す範囲をそろえれば準備できます。
中古住宅を探した世帯の約4分の3がネットを使った
国土交通省の「令和7年度 住宅市場動向調査 報告書」では、中古戸建の取得世帯の74.7%、中古集合住宅の取得世帯の77.0%が、住宅取得の過程でインターネットを通じて情報収集していました。
調査対象は2024年4月から2025年3月までに住み替え等を行った世帯です。調査期間は2025年9月1日から12月9日で、中古住宅は全国を対象としています。戸建と集合住宅を合算した75%という数字ではありません。どちらも約4分の3だった、と読むのが正確です。
意外なのは、ネットが補助的な経路ではなく、中古住宅を取得した世帯の情報収集で中心に置かれていることです。同じ調査で、ネット経由の問い合わせ、説明会・内見等の申込みは中古戸建27.7%、中古集合住宅33.9%でした。見る人の全員が、その場で内見を申し込むわけではありません。
この数字が示すのはネット利用の割合です。写真をきれいにすれば内見数や成約価格が上がる、という因果までは示していません。私はここを混ぜたくありません。広告写真にできるのは、買主が現地を見る候補に残すための情報を、欠けなく渡すことです。
良い点は、売主様が公開前に写真を点検できることです。広告が公開される前なら、暗い、水回りがない、外観だけ角度が偏っている、といった不足を直せます。注文したいのは、明るく広く見せることだけを目的にしないことです。実際の間取りや傷みと違う印象を作れば、内覧時の落差が大きくなります。
ネット掲載前にそろえる7枚は、生活の順で並べる
家の売却写真は、きれいな場所からではなく、買主が家へ入って生活する順に7枚をそろえます。1枚ごとの役割を決めると、似た写真ばかりになるのを防げます。
| 順番 | 撮る場所 | 写す内容 | 避けること |
|---|---|---|---|
| 1 | 外観 | 建物全体、玄関、接道の関係 | 車や植木で建物を隠す |
| 2 | 玄関 | 入口から廊下までの奥行き | 靴や傘で床を埋める |
| 3 | リビング | 入口から窓までの動線 | 超広角で壁を曲げる |
| 4 | キッチン | 作業台、収納、通路幅 | 洗剤や食品を並べたままにする |
| 5 | 水回り | 浴室、洗面、トイレの状態 | 鏡に撮影者や室内を映す |
| 6 | 主寝室 | 窓、収納、家具との広さ | 私物や写真を写し込む |
| 7 | 眺望・庭 | 窓の外、庭、駐車位置 | 隣家の窓や表札へ寄る |
外観は正面だけで終わらせません。道路側から建物全体が分かる1枚を先に撮り、駐車位置や玄関までの距離が伝わる角度も候補にします。電柱、側溝、道路幅などは、写真だけで法的な接道条件を説明できないため、図面や調査結果と分けます。
室内は、部屋の隅から反対側の窓へ向け、スマートフォンを胸の高さで水平に持ちます。縦の柱や建具が傾いていないかを画面の格子線で確認します。倍率はまず1倍です。0.5倍の超広角は広さを伝えやすい一方、端の家具や壁が伸びるため、実際との落差が出ない範囲に限ります。
水回りを外すと、設備状態が分からない広告になります。新品のように見せる必要はありません。照明を点け、鏡と金属部分の水滴を拭き、床と排水口まわりが確認できる距離で撮ります。雨漏りや建物状態の確認は広告写真の役割ではないため、売り出し前のインスペクションなどの資料と分けて考えます。
撮影前15分は、掃除より「画面から外す」に使う
撮影前の短い時間は、家中の掃除ではなく、写真に写る私物と個人情報を画面の外へ移す作業に使います。片付けの完了を待つより、7枚の撮影範囲だけを先に整えるほうが販売日程を読みやすくできます。
家財を全部捨てる時期は、撮影日と分けて考えます。見える範囲を先に整え、売買契約前と引渡し前に何を決めるかは、不動産売却の残置物処分はいつ|引渡し前の3期限で整理しています。
- カーテンを開け、室内照明をすべて点ける
- 郵便物、薬、学校名が分かる物、家族写真を移す
- 床のコード、ごみ箱、洗剤、洗濯物を画面の外へ出す
- 窓と鏡に撮影者や車の番号が映らない位置を探す
- レンズを拭き、格子線を表示し、横向きで撮る
晴天の昼が撮りやすいものの、南向きの窓を正面にすると室内が黒く写ることがあります。窓へ正対せず少し角度を変え、画面上で室内の明るさを合わせます。加工で空を青く塗る、窓の外を差し替える、傷や染みを消す、といった編集はしません。明るさと傾きを直す範囲にとどめます。
空室なら家具がないぶん広く見えますが、部屋の用途や寸法感が伝わりにくくなります。居住中なら生活の想像はしやすい反面、私物が広さを隠します。どちらが有利かを一律には言えません。空室では扉や収納の位置を写し、居住中では床と窓の輪郭が見える範囲まで物を減らします。
一式のリフォームを終えるまで撮影を待つ必要もありません。現況を残してから、直す案と直さない案を費用と手取りで比べます。工事を迷っている方は、家売却でリフォームしない案にある工事前写真と二つの見積りの順序を重ねてください。
撮影の次に居住中の内覧を受ける場合は、家売却の内覧準備で決める予約枠・見せる範囲・質問対応を家族と整理すると、休日の予定と両立する条件を担当者へ渡せます。
写真は欠点を隠す道具ではなく、現地確認の地図にする
売却写真で傷、古さ、周囲との距離を消してはいけません。広告の見栄えと、売主が伝えるべき物件状態は別の仕事です。写真は内覧者を驚かせる演出ではなく、現地で何を見るかを先に渡す地図にします。
壁の小さな傷を全景写真ですべて見せる必要はありません。しかし、雨染み、床の傾きが疑われる状態、設備の故障などを画像加工で見えなくする考え方は採りません。何を広告写真へ出し、何を状態資料や契約前の説明へ回すかは、仲介担当と分けて記録します。
私は、写真の枚数を増やせば売主様の手元が増える、とまでは言えません。迷うのは、撮影の効果を価格へ何円と置ける公的な根拠がないからです。それでも、価格を下げる前に、写真の不足は直す。これは言い切れます。問い合わせがない原因が価格なのか、情報不足なのかを分けないまま値下げすると、手取りだけが先に減るからです。
ここで使う数字は、写真の枚数ではなく販売反響です。公開日から7日、14日など確認日を決め、表示回数、問い合わせ数、内覧数を分けます。写真を差し替えた日も記録します。価格の見直し日と反響の数え方は、売り出し価格と値下げ時期の決め方へつなげると、写真と価格を同時に変えずに済みます。
当社は、写真が足りない段階で買取へ急いで切り替える案内を率先して行いません。そのかわりに、7枚をそろえ、公開日、反響確認日、写真の差し替え日、価格の見直し日を販売計画へ入れます。買取を選ぶ場合も、広告準備の不足と売り方の期限は分けて説明します。
公開前は7枚を一列にし、足りない1枚だけ撮り直す
公開前の確認は、7枚を撮影順に一列で表示し、買主が外から室内へ進めるかを見る作業です。似たリビング写真を追加するより、欠けている水回りや外観を1枚撮り直します。
- 外観から玄関、リビングへ順につながっているか
- 縦の柱と建具が傾かず、部屋の広さを誇張していないか
- 表札、郵便物、家族写真、車の番号が読めないか
- 鏡や窓に撮影者と隣家の生活が写り込んでいないか
- 写真と間取り図、設備状態の説明が食い違っていないか
- 公開後の反響確認日と、撮り直しの担当が決まっているか
販売開始日から逆算する場合、撮影日は公開日の前に置きます。写真、図面、告知資料をそろえる期間は、成約までの日数とは別です。全体の日程は平均100.1日から組む売却期間と査定から引渡しまでの流れへ重ねてください。
今日、売るかどうかまで決める必要はありません。スマートフォンで7枚を仮撮りし、個人情報の写り込みと足りない場所に印を付けるところまでで十分です。写真は売却を急がせる材料ではなく、家の現状と販売準備の不足を自分で確かめる材料にもなります。
出典(2026年9月確認・HTTP 200):国土交通省住宅局「令和7年度 住宅市場動向調査 報告書」(2026年7月)、227頁「物件に関する情報収集方法」。数値は複数回答による調査結果です。調査結果や広告媒体の仕様は変わることがあります。個別物件で広告へ載せる内容、物件状態の説明、税務、登記は、担当の宅地建物取引士、税理士、司法書士など各分野の専門家へご確認ください。
よくある質問
家の売却写真はスマートフォンで撮ってもよいですか?
スマートフォンでも準備できます。横向きで1倍を基本にし、格子線で柱や建具を水平・垂直に合わせます。0.5倍の超広角は画面の端が伸びやすいため、実際より広く見える構図を避けてください。レンズを拭き、照明を点け、同じ部屋を明るさ違いで2〜3枚撮ってから選びます。
居住中の家は、生活用品をどこまで片付けて撮りますか?
最初に郵便物、薬、学校名が分かる物、家族写真、洗濯物を画面の外へ移します。次に床のコード、ごみ箱、洗剤など、部屋の輪郭を隠す物を減らします。家中の片付けを終える必要はありません。外観から眺望・庭まで7枚の撮影範囲を決め、その画面内から整えます。
雨や曇りの日でも売却写真を撮れますか?
撮れますが、外観の空や室内の窓を画像加工で差し替えません。室内はカーテンを開けて照明を点け、窓へ正対せず角度を変えて明るさを調整します。外観が暗く建物の輪郭を確認しにくい場合は、室内を先に撮り、外観だけ別日に撮り直します。公開日から逆算して予備日を1日置いてください。
SELL WITH CONFIDENCE
早く売る方法ではなく、
多く残す方法から考えます。
無料で相談する →査定・初回相談は無料です。売却をお約束いただく必要もありません。当社が買主になることはありません(買取をお選びの場合は、複数社の見積もりを比較してご提示します)。

文責:大石浩之(富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役/宅地建物取引士 静岡県知事 第027186号)
静岡県磐田市で不動産業を営んでいます。売却のご相談はかんたん入力のフォームから。
記事の内容は公開時点の一般的な情報です。税務・登記・相続の個別のご判断は、税理士・司法書士など各分野の専門家にご確認ください。