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家売却は居住中か空き家か|退去前の3比較

居住中の家を売るか退去して売るかの検討を表す、家具のある居間と引っ越し用の箱、隣の空室、机上の鍵と電卓を配した生成イメージ
記事内容をもとに生成したイメージです。実在の場所・人物を撮影したものではありません。
この記事の結論Q:家を売るなら、先に引っ越して空き家にした方がいい? A:内覧枠を確保でき、追加の住居費を抑えたいなら居住中の販売から検討します。退去を先行するなら、内覧の自由度、二重の住居費、維持管理費を比較し、引渡しまでの資金と管理担当を決めます。2025年公表の空き家調査は成約価格差を示していません。空ければ高く売れるとは見込まず、退去前に費用を確かめます。

引っ越して家を空けた方が、案内はしやすそうだ。でも売れるまで家賃と住宅ローンを払えるだろうか。自宅の売り出し前に迷うのは、家を見せる都合と、家族が暮らす都合が同時に動くからです。退去は、販売写真を撮り直すだけでは済まない判断です。

当社は、内覧の自由度、二重の住居費、維持管理費の3項目で比べます。ここでいう「空き家」は、退去して居住者がいない状態です。荷物を残すか、家具も運び出すかで案内の条件は変わります。売却のために空けることと、管理せず放置することは分けて考えます。

居住中と空き家は、価格より先に3項目を比べる

居住中か空き家かを選ぶ基準は、内覧を受けられる時間、引渡しまでに払える金額、管理を続けられる人の3つです。空き家にすれば高く売れる、という前提で退去費用を先払いしないことです。

比較する項目居住中で販売退去して販売
内覧の自由度家族の予定や片付けとの調整が必要。生活の使い勝手を説明できる在宅予定との調整が減る。鍵の管理と案内担当の手配は残る
二重の住居費転居先の費用を先に発生させずに済む場合がある転居先の家賃等と旧宅の支払いが重なる期間を見込む
維持管理費生活の中で清掃や異常の確認ができる見回り、通風、清掃等を誰が行うか決め、交通費や外注費も見込む

空き家の良さは、売主の在宅を前提にせず案内日を組めることです。家具を運び出せば、床や壁、収納の奥を確認しやすくなります。買主が部屋の寸法を測る際も、生活用品を動かす手間を減らせます。

一方で、当社は「案内が楽になる」という販売側の都合だけで退去を勧めません。追加の家賃や管理費を払うのは売主です。居住中でも予約を組めるなら、まず住んだまま販売する条件を作り、必要に応じて退去へ切り替える案が残ります。

比較1:内覧の自由度は、退去前に予約枠で試す

居住中の販売が続けられるかは、家族が受けられる予約枠と、買主が確認できる範囲を具体化して判断します。「住んでいるから見せられない」と決める前に、日時と場所を分けて担当者へ渡します。

たとえば「土曜日の午前に1枠、前日18時までに予約確定」は、家族で検討する仮の条件です。標準の回数や時間ではありません。掃除の準備時間、仕事、子どもの予定、ペットの移動も含め、続けられる枠にします。購入希望者と合わなければ、別日の候補を出せるかを相談します。

居住中は、家具を置いた広さや日常の動線を示せる利点もあります。ただし、個人情報が写る物は片付け、写真撮影と収納を開ける可否は事前に共有します。見せられない箇所はそのままにせず、再内覧など確認できる方法を用意します。具体的な段取りは家売却の内覧準備に整理しています。

退去後も、鍵が手元にしかなく担当者が入れなければ、案内の自由度は上がりません。鍵を預ける相手、入退室の記録、施錠確認、照明と水道の使用条件を決めます。空室でもいつでも案内できるわけではなく、担当者と購入希望者の調整は残ります。

当社は、内覧を断った件数だけで退去を決めず、断った理由も確かめます。時間が合わなかったのか、家の状態を見せにくかったのかで次の手が違います。立地や価格への反応が弱い場合に、退去だけで状況が変わるかは分かりません。

比較2:二重の住居費は、引渡しまでの現金で測る

退去を先行する家計では、新居の家賃等と旧宅の支払いを、売買契約日ではなく代金受領・引渡しまで並べます。契約が決まっても、旧宅の支払いがその日に終わるとは限らないためです。

以下は相場ではなく、比べ方を示す仮の例です。旧宅の住宅ローン返済が月8万円、新居の家賃が月7万円、退去後の管理・見回り等を月1万円と置きます。旧宅返済が続く間の月の支払いは計16万円です。居住を続ける案と比べた追加支出は、ここでは月8万円になります。

引渡しまでの仮定旧宅返済・新居家賃・管理等の合計居住継続案に対する追加支出
3か月16万円×3=48万円8万円×3=24万円
6か月16万円×6=96万円8万円×6=48万円

仮定:両案で同額の旧宅ローン返済が続き、転居先の家賃と管理等だけが追加される場合。税金、保険、引っ越し、賃貸の初期費用、修繕、新旧住宅の光熱費差額は別です。3か月・6か月は成約期間の予測ではありません。ローン返済の元金分は残債を減らすため、全額を売却の損失と数えないでください。

この例では、追加支出に用意した24万円は3か月で使います。売却価格が同じでも、退去が先なら手元の現金の減り方が変わります。一方、新居がすでに確保され追加家賃がない場合は、月7万円を入れずに計算し直します。新居を買う場合も、この家賃例をそのまま使わず融資条件を確認します。

当社は、売買代金から仲介手数料や残債などを引く決済時の手取りと、決済前に家計から払うお金を分けて示します。返済済みの元金と決済時残債を重ねて引かないためです。購入との順序まで迷う場合は、住み替えの売り先行・買い先行の比較も参照してください。

比較3:空き家の維持管理は、家賃とは別に残る

退去後の管理は、支払う費用と自分で動く時間を分けて見積もります。外注費がゼロでも、見回りや清掃を引き受ける家族の仕事がゼロになるわけではありません。

国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査」は2025年8月29日公表です。報告書第1章の調査事項には、管理頻度、年間の維持管理に要する費用、管理をする上での課題が並びます。全国の空き家の利用・管理状況や所有者の意向を把握する調査で、居住中と空き家の成約価格差を比較する調査ではありません。2026年9月27日に原文を確認しました。

私が着目するのは、国の調査でも管理の「費用」と「頻度」と「課題」が別の項目になっている点です。家を空ければ生活費は減るとしても、家を保つ仕事は残ります。空き家の資料があることと、退去すれば高く売れる根拠があることは別です。

退去前に、室内の通風・清掃、漏水の確認、庭の手入れ、郵便物、悪天候後の確認を誰が担うか決めます。たとえば月1回の訪問を見積もるなら、室内に入る作業を含むか、報告写真が付くか、臨時訪問は別料金かもそろえて比較します。月1回はここでの検討例で、建物や季節に適した頻度を保証する数字ではありません。

遠方へ転居するなら、家族が往復する交通費と移動時間も書きます。マンションでは管理費等の継続支出も確認します。仲介担当へ鍵を預けるだけで管理作業まで含むとは考えず、依頼範囲と報酬を売却中の空き家管理費と仲介料の違いで確認してください。退去だけを理由に火災保険や電気・水道を一律に止めず、補償と管理・案内に必要な条件を各契約先へ確かめます。

退去日は、待てる費用と管理担当を決めてから

退去を先行する判断は、内覧の制約が改善する見込みに加え、引渡しまでの追加支出を払え、管理を任せる相手が決まったときに具体化します。どれかが未確認なら、居住中の販売条件を整える段階に戻れます。

私は、退去日を先に決める必要はないと考えます。空ければ案内しやすいのは確かです。それでも、家賃を払い始めた売主が、資金の期限に追われて値下げを急ぐ計画にはしたくない。退去日より先に、待てる費用と内覧枠を決める。これが私の判断です。内覧対応で家族が消耗する負担も軽くは扱えず、どちらを優先するかは私も家計と予定を見ないまま決められません。

今日できる確認は、紙に「受けられる内覧枠」「追加支出の月額と用意できる総額」「退去後の管理担当」を書くことです。空欄があれば、転居の申込みより先に埋めます。退去を選ぶなら引っ越しの見積もりも取り、販売状況を見直す日を担当者と決めます。見直し日は自動的に値下げする日ではなく、反応と支出を点検する日です。

当社は買主にならず、買取・買取保証を率先して行いません。そのかわりに、居住中の仲介と退去後の仲介を、当社の仲介手数料や管理費も含めた手取りで比較します。買取や買取保証そのものを否定するわけではありません。期限を優先する場合は価格、費用、引渡し日をそろえます。当社の媒介で買取会社へ売る場合は仲介手数料が発生します。

大石浩之(磐田市/不動産業)は、宅地建物取引士として、売り方と住まい方を一緒に確認する順で案内します。磐田市の不動産売却でも、家を空けてから相談する必要はありません。今日は退去を決めず、判断に使える3つの欄をそろえるだけでも前へ進めます。

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査・公表案内」「同調査報告書」第1章、冊子4〜6ページ。2026年9月確認(確認日:2026年9月27日)。本文の月額・期間は当社の比較用の仮定であり、調査の平均値ではありません。制度・費用・契約条件は変わることがあります。個別の売買条件は宅地建物取引士、融資条件は金融機関、税務・登記は税理士・司法書士等の専門家へご確認ください。

よくある質問

住みながら家を売ることはできますか?

居住中でも販売を進めることはできます。家族が受けられる日時、確認できる部屋、写真撮影の可否を仲介担当へ伝え、内覧を予約制で調整します。見せにくい箇所には再確認の方法を用意してください。内覧のしやすさだけで退去せず、引渡しまでの追加住居費や管理費と比べます。売却と引っ越しの日程は契約前にすり合わせます。

空き家にすれば居住中より高く売れますか?

空き家なら高く売れるとは断定できません。家具のない室内は状態や寸法を確認しやすく、在宅予定の調整も減りますが、その利点を価格差へ置き換える根拠は別に必要です。令和6年空き家所有者実態調査も居住中との成約価格差を示す調査ではありません。退去による追加支出を、未確認の値上がりで回収できるとは見込まないでください。

退去を先行する前に何を決めればよいですか?

内覧の鍵を管理する人、引渡しまで払う追加住居費の月額と総額、空き家を管理する担当を決めます。販売期間が延びた場合の支出も仮定を置いて計算し、見直す日を共有してください。管理を外注するなら訪問頻度だけでなく作業範囲と臨時対応の料金も確認します。家賃や管理費の準備ができてから退去時期を具体化する順です。

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富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役・宅地建物取引士の大石浩之

文責:大石浩之(富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役/宅地建物取引士 静岡県知事 第027186号)
静岡県磐田市で不動産業を営んでいます。売却のご相談はかんたん入力のフォームから。
記事の内容は公開時点の一般的な情報です。税務・登記・相続の個別のご判断は、税理士・司法書士など各分野の専門家にご確認ください。