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査定相場手取り額

基準地価とは|2026年の数字を売主はどう読むか

形の異なる二つの区画図と住宅模型を机に並べ、基準地と自宅の面積・形状・道路条件を比較するための生成イメージ
記事内容をもとに生成したイメージです。実在の場所・人物を撮影したものではありません。
この記事の結論Q. 地価が上がったなら、うちも高く売れる? A. 基準地価は7月1日時点の基準地の1㎡価格です。2026年は全国21,466地点を調査し、全用途・住宅地・商業地の全国平均が5年連続で上昇しました。ただし自宅の値上がりを示すものではありません。用途・道路・形状を比べ、成約事例と売却費用から判断します。

「地価が上がったなら、うちも売り出し価格を上げてよいのか」。2026年9月のニュースを見た売主様が、知りたいのはそこだと思います。全国の数字を読んでも、自宅の前の道路や建物の傷みまでは見えてきません。

私は大石浩之(磐田市/不動産業)、宅地建物取引士です。この記事では、公表された事実と、当社が売却判断でどう使うかを分けて書きます。全国の上昇を喜ぶことと、自宅の売値を決めることの間には、確認する作業が残っています。

基準地価とは、7月1日の土地価格を比べる物差し

基準地価は、都道府県地価調査で公表される基準地の1㎡当たりの価格です。各都道府県知事が毎年7月1日時点の価格を調べ、公表します。国土交通省の2026年9月15日発表でも、この定義が示されています。

同発表によると、2026年の調査対象は全国21,466地点です。全国平均では、全用途平均・住宅地・商業地がいずれも5年連続で上昇しました。ただし、対象は選ばれた地点です。全国の住宅21,466件が、その金額で売れたという統計ではありません。

出典:国土交通省「令和8年都道府県地価調査」(2026年9月15日発表、2026年9月24日確認)。調査地点数と全国平均の傾向を示すもので、個別の住宅の成約価格ではありません。

私がこの資料を評価するのは、価格の時点と単位をそろえて話せるところです。「近所が高く売れたらしい」という話だけでは、土地の広さも契約時期も分かりません。基準地価なら、まず同じ年の1㎡単価という共通の出発点を持てます。

そのうえで、売却の資料としては注文があります。全国平均の上昇だけを抜き出さず、比較した基準地の番号と条件も示してほしい。これは当社自身の査定説明にも向けた注文です。数字が公的なものでも、自宅と結び付ける理由がなければ、売値の根拠にはできません。

なお、国土交通省の不動産情報ライブラリでは、地価公示は1月1日、地価調査は7月1日の価格と説明しています。両者には一部共通地点があります。別々の地点の価格差を、そのまま半年間の値上がりと読まないようにしてください。税の評価との違いは、路線価と売却価格の違いでも整理しています。

9月の発表でも、9月の売値ではない

2026年9月に公表された基準地価の価格時点は、2026年7月1日です。公表された日と、価格が指している日は別です。9月24日に売却を考えるなら、7月以降の販売状況も調べる必要があります。

私なら、自宅に一番近い地点を見つけたところで比較を終えません。住宅地と駅前の商業地では、想定する使い方が違います。距離が近いことに加え、道路、面積、形状、周辺の利用状況を並べます。比較できない項目は空欄のまま残し、調べる項目にします。

比較する項目売主が書き留めること当社が確かめたい点
価格の時点2026年7月1日か、別の年か売り出す時期までの動き
用途と周辺住宅地か、商業地か自宅と利用目的が近いか
道路幅、接する方向、出入りの様子車の出入りや建築条件の違い
土地の形と広さ面積、間口、奥行、形状配置や駐車計画への影響
自宅側の状態建物、境界資料、設備の状態売却費用と引渡し条件

この表は当社が提案する比較用メモです。公的な補正率表ではありません。道路の見た目や地図だけで、再建築の可否を判断するものでもありません。

例えば、同じ面積でも、整った四角い土地と、道路へ細長い通路でつながる土地を同額に置くのは早計です。住宅を配置できる部分と、出入りに使う部分を分けて考えたいからです。一律に何%引くと決めるのではなく、現地と資料で差を説明するのが当社の考えです。

磐田市内で売る場合も、全国平均を市内全体へ移して読むことはしません。対象地の場所と資料をそろえたうえで、磐田市の不動産売却の相談として、道路や土地利用の条件を個別に整理します。本記事では、市内の特定地点の2026年価格は示していません。

1㎡単価を掛けた額と、手元に残る額を分ける

基準地の単価に自宅の面積を掛ける計算は、金額の規模をつかむ練習には使えます。ただし、土地条件の差も建物の評価も未反映です。計算結果を、その家の査定額や手取り額とは呼べません。

仮に基準地の価格を1㎡6万円、自宅の土地を150㎡と置きます。単純に掛けると900万円です。さらに、その単価が仮に2%上がるなら、1㎡当たり1,200円、150㎡分で18万円増える計算です。2%は説明のための仮定で、2026年の全国平均や磐田市の実績ではありません。

計算例:60,000円×150㎡=9,000,000円。60,000円×0.02×150㎡=180,000円。実在する基準地・売却物件の試算ではなく、土地条件の補正、建物、売却費用を含みません。

私は、地価の上昇分を、そのまま家計の入金予定に入れないと考えています。率の数字を家1軒分に直し、そこから何が引かれるかを見る。18万円という仮の増加分が出ても、売却に向けた追加の支出が20万円なら、その2項目だけの差引きは2万円の減少です。「地価上昇」と「手取り増加」は同じ意味ではありません。

追加支出20万円も説明用の仮定です。測量・修繕などの相場を示す額ではありません。18万円-20万円=-2万円という比較だけを示しています。

当社が比較表を作るなら、成約を想定する価格から、仲介手数料、必要な測量や片付け、登記等の費用を引きます。住宅ローンが残っていれば返済額も別行で確認します。税金は取得費や特例で変わるため、概算と確定した額を混ぜません。税引後の手取りを決める段階では税理士に確認してください。

私は、計算例をどこまで細かく見せるかには迷いがあります。数字を省けば違いが伝わらず、細かくすれば900万円だけが記憶に残るかもしれません。だから、この例は査定ではないと繰り返し区切ります。自宅について金額を置くのは、比較する土地と引渡し条件がそろってからです。

基準地価は、成約事例に聞く質問を作るために使う

基準地価を見た売主様が次に集めたいのは、条件の近い成約事例と、現在売り出されている物件の情報です。基準地価は地域を読む資料、成約価格は取引の結果、売り出し価格は募集の設定額として分けて置きます。

国土交通省の不動産情報ライブラリには、地価調査の検索画面があります。「地価調査」、地域、用途区分、調査年を指定する項目があります。自宅周辺を調べる際は、2026年の住宅地を出発点にし、基準地番号を控えてください。用途区分が合わない場合は、無理に同じ比較へ入れないようにします。

私は、資料を読む順番を次のように提案します。価格だけをメモするより、査定の説明で質問できる材料が残ります。

  1. 基準地番号、調査年、1㎡価格、用途を一緒に保存する。
  2. 自宅の面積と形状が分かる資料、道路の写真を手元に置く。
  3. 比較したい地点との差を書き、分からない条件には「未確認」と付ける。
  4. 査定の説明では、使った成約事例の時期と条件、補正した理由を聞く。

成約価格を探す入口は、不動産情報ライブラリで成約価格を見る手順にまとめています。公開された取引事例も、自宅と同じ条件とは限りません。件数をそろえるために似ていない事例を混ぜず、比較できる部分とできない部分を分けるのが当社の進め方です。

当社は全国の上昇率を自宅の査定額へ機械的に足しません。そのかわりに、比較地点・成約事例・自宅の条件を並べ、価格を動かす根拠を説明します。売主様が聞くなら、「この基準地と、うちの土地の違いは査定にどう入っていますか」という質問が役に立つと私は考えます。

売る時期は、地価の見出しより期限と手取りから決める

基準地価の上昇だけでは、2026年9月に売るべきか、待つべきかは決められません。売却判断では、必要な入金時期、待つ間の支出、売り出した場合の価格と見直し条件を並べます。将来の値上がりは未確定のまま扱います。

私なら、売主様に「いつまでに、いくら残れば次の予定へ進めるか」を先に書いていただきます。その額と査定の幅が離れていれば、販売期間を延ばせるか、支出を減らせるかも考えます。売り出し後の判断は、売り出し価格と見直し時期の決め方とつなげて検討できます。

当社は買取・買取保証を率先して行いません。当社が買主になることもありません。ただ、期限を優先して買取を選ぶ判断は否定しません。買取を希望される場合は複数社の条件を比較し、当社が媒介として関与する仲介手数料も含めた手取り額で検討します。

今日の確認は、基準地を1つ選び、価格時点と自宅との条件差を書き出すところまでで十分です。私は、上昇のニュースを売却の号令にするより、査定の説明を一段具体的にする材料として案内します。売ると決める前に、数字の中身を聞ける状態を作ってください。

出典(2026年9月24日確認):国土交通省「令和8年都道府県地価調査の報道発表」、国土交通省 不動産情報ライブラリ「国土交通省地価公示・都道府県地価調査の検索」。制度、掲載数値、画面構成は変更される場合があります。個別の査定・建築条件は担当の宅地建物取引士や建築士へ、税務・登記は税理士・司法書士へ確認してください。

よくある質問

全国の基準地価が上がったら、自宅も値上がりしますか?

全国平均の上昇だけでは、自宅の値上がりは判断できません。2026年の都道府県地価調査は全国21,466地点が対象で、個別住宅の成約価格を集計した数字ではありません。自宅と用途や道路条件が近い基準地を選び、成約事例と建物の状態を合わせて確認します。

基準地価に土地面積を掛ければ、家の売値が分かりますか?

単価と面積の掛け算だけでは、家の売値は分かりません。比較地点と自宅の道路・形状の違い、建物の評価、引渡し条件が未反映だからです。金額の規模をつかむ参考にとどめ、成約事例を使った査定の根拠を確認してください。手取り額は売却費用やローン返済も分けて計算します。

2026年の地価上昇を見て、今売ると決めるべきですか?

地価上昇だけで売却時期を決める必要はありません。2026年9月公表の基準地価は7月1日時点の価格で、将来の上昇を約束する資料でもありません。必要な入金時期、待つ間の支出、査定の価格幅を並べて判断します。まず比較する基準地の条件を控え、売却計画の説明を受ける材料にしてください。

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富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役・宅地建物取引士の大石浩之

文責:大石浩之(富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役/宅地建物取引士 静岡県知事 第027186号)
静岡県磐田市で不動産業を営んでいます。売却のご相談はかんたん入力のフォームから。
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