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仲介手取り契約

不動産の個人間売買と仲介|売主が比べる3項目

木製の家の模型と2冊の白紙の書類、鍵、虫眼鏡を机に並べ、個人間売買と仲介の手取り・調査・契約準備を比較するイメージ
記事内容をもとに生成したイメージです。実在の場所・人物を撮影したものではありません。
この記事の結論Q. 知人に家を売るなら、仲介は頼まなくていい? A. 個人間の直接売買と仲介は、手取り・調査の分担・契約準備で比べます。直接売買は仲介手数料を省けますが、調査や契約条件の確認は残ります。仲介を頼む場合も、報酬と業務範囲を契約前に確認します。知人だからという理由だけで、価格や引渡し日を先に約束しないのが当社の考えです。

知人から「その家を買いたい」と言われた。買主を探す必要がないなら、仲介を頼む費用が惜しくなるのは自然です。直接話せる相手なら、残す家具や引越し時期も相談しやすい。直接売買には、売主自身で条件を組める良さがあります。

ただ、顔を知っていることと、家の状態を双方が同じように理解していることは別です。大石浩之(磐田市/不動産業)として、当社は手数料の有無だけで売り方を決めないと考えます。磐田市での売却相談でも、まず手取りと、引渡しまでに誰が動くかを並べて考える立場です。

知人への売却でも、比べるのは3項目

個人間の直接売買と仲介の違いは、売主に残るお金、物件を調べる担当、契約を整える担当の3項目で整理できます。本稿の直接売買は、宅建業者が仲介に入らない取引を指します。売主と買主が個人同士でも、仲介を依頼する売買はあります。

比較項目個人間の直接売買仲介を依頼する売買
手取り仲介手数料は省ける。調査・登記など別の支出は確認する合意した仲介手数料を含めて計算する
調査の分担当事者が確認先と依頼する専門家を手配する媒介業務の範囲と別途依頼する調査を分ける
契約準備当事者が条件を整理し、必要な専門家に確認する物件の調査結果と双方の希望を契約条件へ反映する

静岡県の「宅地建物取引業に関する相談について」は、宅建業者が関与しない個人間取引を、宅地建物取引業法の規制範囲外としています。2026年1月9日更新の案内です。直接売買では、宅建業者への指導を担う県の窓口と、当事者間の紛争相談を同じものとして考えられません。

ここは意外に見落としやすい点です。取引額が大きいから、すべて同じ業法上の手続きで守られる、という整理ではありません。規制範囲外とは、契約の約束や民法上の責任まで消えるという意味ではありません。契約上の争いは弁護士などに相談する領域です。

国土交通省の2025年9月5日発表は、毎年度10月を「住生活月間」とする旨を示しています。住まいの売り方を見直すきっかけとして取り上げました。同資料の個別イベントは2025年のもので、2026年の催し案内としては用いていません。制度・出典の確認日は2026年10月8日です。

手取りは、同じ価格と負担条件で比べる

直接売買と仲介の手取りを比べるときは、売却価格だけでなく、測量・片付け・補修を誰が負担するかもそろえます。仲介手数料がなくても、その分の値引きや売主負担の追加があれば、差額は変わります。

国土交通省の「不動産取引に関するお知らせ」は、仲介手数料に告示による上限があり、媒介契約の締結時に上限の範囲内で合意する考え方を示しています。上限額がそのまま個別の契約額になるわけではありません。見積書では税込額と支払時期まで確認します。

比較用に、個人が自宅を2,000万円で売ると仮定します。売買代金に建物の消費税が含まれない例です。売主側の仲介手数料を通常の上限額で合意した場合、(2,000万円×3%+6万円)×1.1=72万6,000円です。直接売買には仲介手数料がないため、同じ価格・同じ他費用なら、この分だけ差が出ます。

上の72万6,000円は、消費税率10%で計算した売主側報酬の上限例です。当社の個別見積額や、取引全体の費用を示すものではありません。800万円以下の宅地建物には別の報酬特例があるため、この例をそのまま当てはめません。

当社は、仲介を頼めば手数料以上に高く売れるとは約束しません。知人と価格がすでに決まっているなら、仲介に何を頼むのかを説明できなければ、費用の比較にならないからです。買主探しに加え、調査と条件調整のどこを依頼するかを確かめます。

比較メモには「代金-売主負担の諸費用-ローン返済額」を引渡し時の残金として記します。譲渡所得税など後日の支出に備える枠は別に置きます。印紙、登記、測量、専門家への依頼料は、必要性も金額も取引ごとに異なります。未確認の欄を0円にせず、「見積待ち」と残してください。

知人が同じ仲介窓口へ依頼する場合は、当社は売主側・買主側の報酬と依頼関係を分けて説明する考えです。費用の関係は両手仲介で売主が確認する3つの論点も参考になります。

調査は、担当者と未確認事項を残す

物件調査の比較では、「調べたか」だけでなく、何を資料で確認し、何を現地で確認し、何が未確認なのかを分けます。直接売買でも仲介でも、売主が知っている雨漏りや修繕履歴を整理する作業は残ります。

私が比較表をつくるなら、名義と抵当権、道路と境界、建物と設備の3行を置きます。名義は登記事項証明書と売主の資料、道路は役所の資料、境界は図面と現地の状況を突き合わせるためです。建物の傷みは目で見ただけでは分からない部分もあり、専門の調査を頼む範囲を別に決めます。

費用を省くなら、誰がその仕事を引き受けるのかまで決める。私はこう考えます。「知人だから大丈夫」で担当者の欄を空白にしたくありません。売主が平日に資料を取り寄せるのか、専門家に依頼するのか。支払う金額だけでなく、その家族が実際に動ける段取りまで含めて比較するのが、私の判断です。

一方で、私は仲介を入れるべきだと即答することにも迷います。すでに資料がそろい、条件に合意できている取引と、境界も資金計画も未確認の取引では、依頼する仕事が違うからです。仲介に払う費用が惜しいという気持ちを、準備不足だと決めつけたくはありません。

国土交通省は、媒介契約の内容によって受託する手続きの範囲が異なる場合があると案内しています。仲介に依頼しても、境界確定測量や建物の専門調査が自動で全部含まれると考えず、別途依頼と費用の有無を確認します。当社は、業務に含む確認と別の専門家へつなぐ確認を分けて示す方針です。

相手を知っていても、売却する本人の意思や共有者の関与は確認事項として残します。売却時の本人確認と準備資料を読み、名義人、契約する人、代金を受け取る人の関係を先に整理すると、依頼する仕事が見えます。

契約は、融資・不具合・決済を詰める

契約準備で比べたいのは、書類を作る人だけでなく、融資が通らない場合や引渡し後の不具合まで話し合う担当です。ひな形に住所と価格を入れても、当事者が決めていない条件は埋まりません。

当社が契約前の比較メモに置くのは、代金と手付金、引渡し日、融資利用、不具合の扱い、残す設備の5欄です。例えば、買主が借入れを使うなら、金融機関へ直接売買での必要書類と審査の段取りを確認してもらいます。口頭の「借りられそう」を、資金準備が済んだ扱いにはしません。

融資を受けられない場合に契約を解除できる条件を設けるなら、対象となる借入れ、期限、連絡方法まで検討します。不具合については、いつから何が起き、どんな修繕をしたかを整理します。契約で合意した内容と違う状態に関する責任は、契約不適合責任と呼ばれます。免責の一文だけで片付けず、個別の条項は専門家に確認します。

決済は、残代金の支払いと所有権移転登記などを進める段階です。売主のローンが残るなら金融機関、登記の準備は司法書士と、日付を決める前に相談します。権利証が見つからない場合も、権利証を紛失した家の売却前の確認を参考に、代わりの手続きと所要日数を確かめます。

当社は、知人への売却を止めて別の買主へ誘導することを比較の出発点にしません。そのかわり、知人との取引で残っている調査と条件調整を示し、仲介を依頼するか判断できる材料をそろえます。当社が買主になることはありません。買取・買取保証は率先して行いませんが、期限などに応じて選ぶ売り方として否定はしません。

今日つくるのは、1枚の比較メモ

売り方を決める前に、直接売買案と仲介案を1枚に並べると、依頼する費用と仕事が対応します。まず知人からの希望価格、資金の用意方法、希望する引渡し日を書き、未定の箇所を空欄ではなく「未確認」と記します。

次に、調査項目ごとに担当者と期限を置きます。仲介を検討するなら、「買主は決まっています。調査と契約準備の範囲、税込報酬、別途費用を示してください」と依頼する形です。直接進めるなら、同じ表を持って司法書士や必要な専門家に相談し、誰も引き受けていない仕事を残さないよう確認します。

私なら、手取りの差額と担当者がそろうまで、最終価格と引渡し日の約束を保留するよう案内します。仲介手数料を払うこと自体が目的ではありません。知人に売る選択を残したまま、家族が負担するお金と手間を見える形にする。それが、売主の手元を考える比較です。

出典(2026年10月確認、最終照合2026年10月8日):国土交通省「10月は「住生活月間」です」(2025年9月5日公表)/静岡県「宅地建物取引業に関する相談について」(2026年1月9日更新)/国土交通省「不動産取引に関するお知らせ」(媒介契約・仲介手数料)。制度・数値は変更される場合があります。重要事項や契約条項は宅地建物取引士・弁護士、税務・登記の個別判断は税理士・司法書士など専門家に確認してください。

よくある質問

不動産を個人間で直接売買することは違法ですか?

自宅を知人に売る個人間の取引が、仲介を入れないことだけで違法になるわけではありません。静岡県は宅建業者が関与しない個人間取引を宅地建物取引業法の規制範囲外と案内しています。ただし、契約上の責任は別です。反復継続して売買するなど事業性がある場合は、この説明を当てはめず、免許の要否を県などへ確認してください。

買主が決まっていても仲介を頼めますか?

知人など買主候補が決まっている段階でも、仲介の依頼について相談できます。受託の可否と業務範囲は個別確認です。買主探しが不要でも、調査、条件調整、契約準備に何を頼むかを示し、税込報酬と別途費用を契約前に確認します。手数料が自動で無料や半額になると考えず、売主と買主それぞれの依頼関係も整理してください。

司法書士に登記を頼めば、仲介は不要ですか?

登記を依頼することと、物件調査や売買条件の調整を依頼することは分けて考えます。司法書士への依頼範囲を確認したうえで、道路・境界・建物の確認や不具合の扱いを誰が担当するかを整理してください。仲介の要否は残る仕事で判断します。登記は司法書士、契約条項の法律相談は弁護士など、内容に応じた専門家へ確認します。

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富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役・宅地建物取引士の大石浩之

文責:(富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役/宅地建物取引士 静岡県知事 第027186号)
静岡県磐田市で不動産業を営んでいます。売却のご相談はかんたん入力のフォームから。
記事の内容は公開時点の一般的な情報です。税務・登記・相続の個別のご判断は、税理士・司法書士など各分野の専門家にご確認ください。