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ゲーム理論

値引き交渉の構造

ナッシュ交渉解と、指値に応じるべき条件

富士ヶ丘サービス株式会社代表取締役 大石 浩之初出 2026.08.23

要旨

本稿の問いは、買主から売り出し価格を下回る金額を提示されたとき、売主はどこまで応じるべきかである。実務でこの問いは、いくらまで下げられるかという形で立てられる。しかし交渉理論の見地からは、この立て方では答えが出ない。分け前を決めているのは価格についての主張の強さではなく、合意しなかったときに双方に何が残るか、そして時間の経過をどちらがより苦にするかだからである。

本稿はナッシュ(1950)の交渉解とルービンシュタイン(1982)の交互提案モデルを数式を使わずに再構成し、不動産の値引き交渉に当てる。ナッシュ解は、決裂したときの利得——決裂点——が上がった側の取り分が増えることを示す。ルービンシュタイン解は、交渉を提案と応答の往復として描き、時間割引率の低い側、すなわち待つことを苦にしない側が多くを得ることを示す。この二つは、短い間隔で提案が往復する極限で一致することが知られている。

そのうえで、期限を持つことと、期限を相手に知られることを区別する。期限を持つこと自体は割引率を通じて分け前を削るにすぎないが、期限が相手に知られると、相手にとって待つことが最も有利な行動になり、交渉そのものが成立しなくなる。売主の期限は、滞留期間・値下げの幅・売却理由の語り方から漏れる。実務への含意は、交渉が始まる前にしか決裂点を作れないという一点に集約される。

交渉理論ナッシュ交渉解交互提案モデル決裂点時間割引率指値

1. はじめに——問題の所在

売り出してしばらく経ち、内覧が済んだ後に届く購入申込書には、売り出し価格より低い金額が書かれていることがある。実務ではこれを指値と呼ぶ。買主が自分の希望額を指定して申し込むという意味である。この紙を前にして売主が最初に口にする問いは、ほとんど例外なく同じである。いくらまで下げるべきか。

しかしこの問いの立て方には、原理的に答えが出ない構造がある。いくらまで下げるべきかは、売主の側の事情だけからは決まらない。相手がいまどこに立っているか、そして合意に至らなかったとき双方に何が残るかによって、下げるべき額は動く。値引きは売主の譲歩の量の問題ではなく、二人の間にある利益をどう分けるかの問題である。

1.1 交渉理論という道具

この局面を扱う理論を、ゲーム理論では交渉理論と呼ぶ。交渉理論が対象とするのは、合意すれば双方が現状より得をするが、その得の分け方については利害が真っ向から対立する、という状況である。不動産の売買はその純粋な例といってよい。売主には、これを下回るなら売らないという下限がある。買主には、これを上回るなら買わないという上限がある。上限が下限を超えているとき、その差が二人で分けるべき利益になる。合意すれば双方が取り分を得るが、一方の取り分が増えれば他方は減る。

値引き交渉と呼ばれているものの正体は、この差のどこで手を打つかである。差がどこにあるかは当事者にも正確には見えていない。だからこそ交渉は、金額の主張の応酬という形をとる。ところが理論が示すのは、主張の強弱や巧拙ではなく、もっと構造的な二つの量が結果を決めているという事実である。

1.2 本稿の問いと、扱わないこと

問いは三つである。第一に、二人で分けるべき利益の分け前は何によって決まるのか。第二に、届いた指値に応じるべきなのはどういう条件のときか。第三に、売主が期限を持っていることは、なぜそれ自体ではさほど不利にならず、期限を相手に知られたときに決定的な不利になるのか。

一方で、受諾の下限そのものをどう決めるかは本稿の主題ではない。待つことの費用や買主の到着頻度から留保価格を導く議論は、探索理論を主題とする別稿に譲る。本稿は下限がすでに定まっていることを前提に、その下限より上の領域をどう分けるかだけを扱う。同様に、複数の買主を競わせる仕組みの設計は入札の理論に属し、別稿の主題である。ここでは買主が一人であるか、あるいは一人ずつ順に現れる場合を想定する。

売主の下限
分ける利益
買主の上限
売主の下限と買主の上限の間には通常いくらかの幅がある。値引き交渉とは、その幅のどこで手を打つかという分配の問題である。

方法は理論的な整理である。第2節でナッシュ(1950)の交渉解とルービンシュタイン(1982)の交互提案モデルを数式を使わずに再構成する。第3節で不動産の交渉において何が分けられているのかを特定し、第4節で決裂したときの利得を、第5節で時間割引率を扱う。第6節で期限を知られることの不利を論じ、第7節で売主の実務に落とし、第8節で限界と残された課題を述べる。

なお筆者は静岡県磐田市で不動産の媒介を業とする者である。自社で買い取る事業を持たないため、売主に早く譲歩させることで利益を得る立場にはない。ただし媒介の報酬が成約を条件とする以上、成約そのものを望む誘因は筆者の側にも存在する。この誘因が第7節の助言にどう影響しうるかは、第8節で自ら論じる。

2. 交渉理論の構造——ナッシュ解と交互提案モデル

交渉理論には性格の異なる二つの系譜がある。一つは、合意の結果が満たすべき性質をあらかじめ列挙し、その性質をすべて満たす点を一つに絞り込む方法である。もう一つは、提案と応答の往復という手続きそのものを描き、その手続きのもとで各人が最善を尽くしたときに何が起きるかを解く方法である。前者を代表するのがナッシュ(1950)であり、後者を代表するのがルービンシュタイン(1982)である。

2.1 ナッシュの交渉解——決裂点からの増分の積

ナッシュは交渉の場面を二つの要素だけで表した。第一は、合意によって到達しうる結果の集合である。第二は、合意が成立しなかった場合に双方が得る結果、すなわち決裂点である。この二つが与えられれば交渉問題が定義されたことになる、というのが出発点であった。

そのうえで彼は、望ましい解が満たすべき性質を四つ挙げた。第一に、双方をさらに良くする余地が残っていないこと。第二に、二人の立場が入れ替えても同じであるなら結果も対称であること。第三に、満足の度合いを測る目盛りの取り方を変えても、選ばれる結果は変わらないこと。第四に、選ばれなかった選択肢を集合から取り除いても、結果は変わらないこと。第四の性質は無関係な選択肢からの独立と呼ばれ、後に最も議論を呼ぶことになる。

驚くべきことに、この四つを同時に満たす点はただ一つしかない。決裂点からの利得の増分を双方について取り、その積を最大にする点である。これがナッシュ交渉解である。積を最大にするという形が意味するのは、どちらか一方の増分がゼロに近づけば積もゼロに近づく、ということである。したがって解は、双方に一定の増分を与える中間的な位置に落ち着く。

ここから直ちに一つの含意が出る。決裂点が動けば解も動く。ある当事者にとって、合意しなかった場合の結果が良くなれば、その当事者が受け取る取り分は増える。逆に決裂点が悪化すれば取り分は減る。交渉の結果を左右しているのは、交渉の場で何を主張したかではなく、交渉が壊れたときにどこへ帰るかである。

2.2 ルービンシュタインの交互提案モデル

ナッシュの定式化は結果の性質を述べるが、その結果にどうやって到達するのかを語らない。この空白を埋めたのがルービンシュタイン(1982)である。彼は交渉を、次のような手続きとして描いた。一方が分け方を提案する。他方は受けるか断るかを選ぶ。断れば今度は他方が提案する側になり、これが交互に、原理的には無限に続く。

この手続きに一つだけ現実的な要素が加えられている。時間が経つと、分けるべき利益の価値が双方にとって目減りするという想定である。目減りの速さは人によって違ってよい。ある人は一往復の遅れをほとんど気にせず、別の人は同じ遅れを大きな損失と感じる。この感じ方の違いを、経済学では時間割引率と呼ぶ。

ルービンシュタインが示したのは、この手続きに部分ゲーム完全均衡——ゼルテン(1965)が導入した、どの時点から先を切り取っても最善であるような戦略の組——を要求すると、結果がただ一つに定まるという結果である。しかもその均衡では、交渉は最初の提案で妥結する。往復は実際には起こらない。起こらないにもかかわらず、往復が起こったらどうなるかという計算が、最初の一回の提案の中身を決めている。

定まる分け方の内容が本稿にとって決定的である。時間割引率が低い側、すなわち待たされることを苦にしない側が、多くを得る。両者の割引率が等しければ折半に近づき、一方だけがせっかちであれば、その分だけ取り分が削られる。忍耐は美徳としてではなく、交渉力の実体として現れる。

2.3 二つの解のつながりと、公理選択の恣意性

この二つの解は無関係ではない。ビンモア、ルービンシュタイン、ウォリンスキー(1986)は、提案の往復の間隔を短くしていく極限で、交互提案モデルの均衡がナッシュ交渉解に近づくことを示した。手続きから導いた答えと、性質から絞り込んだ答えが一致するのである。この対応があるため、実務ではナッシュ解の言葉で構造を語り、ルービンシュタイン解の言葉で時間の効き方を語る、という使い分けができる。

同時に、ナッシュ解が唯一の答えではないことも押さえておく必要がある。カライとスモロディンスキー(1975)は、第四の性質すなわち無関係な選択肢からの独立を外し、代わりに、分けられる利益全体が増えたら双方の取り分も増えるという単調性を置いた。すると別の解が一意に定まる。どの性質を望ましいと考えるかによって、答えは変わる。理論が与えるのは唯一の正解ではなく、前提と結論の対応関係である。どの前提を置いたのかを自覚せずに結論だけを持ち出すことは、交渉の場では特に危うい。

決裂点
時間の目減り
最初の合意
交互提案モデルでは、往復は実際には起こらない。起こったらどうなるかという計算が、最初の一回の提案の中身を決めている。

3. 不動産の交渉で、実際に分けられているもの

理論を当てる前に、この取引で分けられている利益とは何かを特定しておく。ここを曖昧にしたまま交渉理論の語彙を持ち込むと、価格だけを見る議論になり、理論の最も有用な部分を捨てることになる。

3.1 分けられる幅は、双方に見えていない

売主の下限は、その物件を手放してもよいと考える最低の手取りである。買主の上限は、その物件のために支払ってもよいと考える最高の額である。上限が下限を上回るとき、その差が二人で分ける利益になる。理論の教科書ではこの幅が両者に見えているものとして扱われるが、現実の不動産取引ではどちらにも見えていない。

見えていないことの帰結は二つある。第一に、交渉は幅を探る作業を兼ねる。提示された金額は、相手の限界そのものではなく、相手が限界だと相手が言っている数字にすぎない。第二に、幅が存在しているのに合意に至らないことが起こりうる。双方が相手の限界を過小に見積もれば、実際には合意可能な取引が壊れる。この形の失敗は、価格の高低とは別の理由で生じる損失である。

3.2 分けられているのは金額だけではない

不動産の売買契約は、価格という一つの数字だけで構成されているわけではない。引渡しの時期、手付金の額、住宅ローンを利用する場合の融資特約とその期限、契約不適合責任を負う期間と範囲、境界確定測量を行うかどうかとその費用の負担、既存建物の解体の有無、残置物の処分を誰が行うか、公租公課の精算の起算日。これらはすべて交渉の対象であり、すべてが金銭的な価値を持つ。

この点が交渉理論の適用にとって決定的な意味を持つ。項目が一つしかなければ、一方の得は他方の損に厳密に対応する。ところが項目が複数あり、しかも各項目に対する評価が両者で異なるなら、交換によって双方が得をする組み合わせが存在する。ライファ(1982)が分配的な交渉と統合的な交渉を区別したのは、この違いを指してのことである。分けるべき利益の大きさそのものが、交渉の仕方によって変わる。

項目売主にとっての意味買主にとっての意味評価が食い違いやすい理由
価格手取りに直結総支払額に直結食い違わない(純粋な分配)
引渡しの時期住み替え先の確保と連動現在の住まいの契約と連動双方の事情は独立に決まっている
残置物の処分実行に手間と費用がかかる解体や改修と同時なら追加費用が小さい同じ作業の費用が両者で違う
境界確定測量費用と期間の負担融資審査と将来の安心に効く便益の受け手と費用の負担者がずれる
契約不適合責任の範囲将来の不確実性を抱える取得後の修補費用の見通しリスクを引き受ける費用が両者で違う

表の右端の列が示すとおり、価格以外の項目では、同じ一つの条件が双方にとって同じ重さを持たない。売主にとって実行が重く、買主にとって軽い項目があれば、それを買主に渡す代わりに価格を保つという交換が成り立つ。逆もまた成り立つ。値引き交渉が価格の一次元だけで行われるとき、この交換の余地は使われないまま消える。

3.3 指値の中身を分解する

以上から、届いた指値に対して最初に行うべき作業が決まる。金額の妥当性を判断する前に、申込の中身を項目ごとに分解することである。実務の申込書には、価格のほかに引渡しの希望時期、融資利用の有無と金融機関、契約の希望日が記載されているのが通常である。記載のない項目は、記載がないこと自体が情報になる。

分解して並べると、値引きの要求が実は別の不安の代替表現であることが見えてくる場合がある。取得後に修繕費がいくらかかるか分からないという不安が、その見積もりの代わりに一律の値引き要求として現れることは珍しくない。この場合、値引きに応じるより、修繕の必要箇所を第三者に確認してもらうほうが双方にとって安い解決になりうる。分けるべき利益の大きさは、こうした操作によって実際に変わる。

4. 決裂したときに何が残るか

ナッシュ解が示すとおり、分け前を動かすのは決裂点である。この節では、不動産の値引き交渉における決裂点が具体的に何であるかを、売主と買主のそれぞれについて特定する。

4.1 決裂点は「この相手と合意しなかった世界」である

決裂点とは、いま目の前にいる相手との交渉が壊れたときに、自分に残る状態のことである。フィッシャーとユーリー(1981)は、これを交渉によらずに得られる最良の代替案と言い換え、頭文字からBATNAという呼び名を与えた。呼び名はどうあれ、指すものは同じである。合意しなかった世界で自分は何を持っているか。

重要なのは、決裂点が交渉の場では動かせないという点である。目の前で相手と向き合っている時間に、次の買主を増やすことはできない。決裂点を作る作業は、交渉が始まる前にしか行えない。交渉が上手いか下手かという議論が実務でしばしば空転するのは、勝負の大半が交渉の場の外で、しかも交渉が始まる前についているからである。

4.2 売主の決裂点——次の買主が来る見込み

売主にとっての決裂点は、この買主と合意しなかった場合に、次の買主から得られるであろう条件の見込みである。ここには二つの要素が入る。次の買主が現れる可能性の高さと、現れるまでの期間に負担する費用である。前者が高く後者が軽いほど、決裂点は良くなり、指値に応じるべき理由は減る。

この見込みは、市場の厚みによって大きく変わる。磐田市の人口は2026年7月末現在で163,224人、世帯数は72,421世帯である(磐田市の統計による)。一方、森町の人口は2026年4月1日時点でおよそ1万5,900人である。同じ性格の物件でも、この二つの市場では次の買主が現れるまでの期待される期間が違う。厚みのある市場では、売主の決裂点は自動的に良くなる。薄い市場では、売主が何をしても決裂点は上がりにくい。

ただし注意が要る。決裂点が悪いことは、指値に応じるべきだという結論を直ちには導かない。導くのは、応じる場合の許容幅が広がるという結論だけである。決裂点が悪い売主でも、買主の決裂点がさらに悪ければ、分け前は売主に寄る。比較されているのは各自の決裂点の良し悪しそのものではなく、二人の決裂点の相対関係である。

次の買主
代替の物件
相対的な立場
交渉力を決めるのは決裂点そのものの良し悪しではなく、二人の決裂点の相対関係である。相手の代替案が細ければ、自分の代替案が細くても立場は保てる。

4.3 買主の決裂点——代替となる物件があるか

買主にとっての決裂点は、この物件を買わなかった場合に代わりに買える物件である。ここで、薄い市場の性質が売主に有利に反転する場合がある。売り物が少ない地域では、買主にとっての代替も少ない。同じ小学校区で同程度の広さの土地が他に出ていなければ、買主の決裂点は細い。

代替が特に細くなる買主の類型がいくつかある。隣地の所有者は、その土地と自分の土地を一体で使えるという理由で高く評価するが、その評価を実現できる土地は他に存在しない。接道や間口の不足を解消するために特定の一筆を必要とする買主も同様である。事業用地として一定の面積と形状を要する買主、既に近隣で用地を取得しており残る一区画を求める買主も、代替を持たない。これらの買主に対しては、売主の決裂点が細くても分け前は売主に寄る。

この構造は、誰に売り出しを届けるかという設計に直結する。代替を持たない買主に情報が届いていなければ、その買主は交渉の場に現れない。現れなければ、その買主が持つはずだった細い決裂点は、売主の分け前に何も貢献しない。隣地所有者への打診が実務で重視されるのは、価格を吊り上げるためではなく、決裂点の相対関係を売主に有利な側へ動かす操作だからである。

4.4 決裂点を偽ることの危うさ

決裂点が結果を決めるなら、決裂点を実際より良く見せればよいのではないか。他にも検討中の方がいる、という一言である。この誘惑は理論的には正しい方向を向いているが、実務上は二つの理由で採るべきではない。

第一に、露見したときの損失が大きい。買主は、その一点だけでなく説明の全体を疑う。物件の状態についての説明まで疑われれば、交渉は幅の探り合いではなく信用の回復に費やされる。第二に、宅地建物取引業者が取引の相手方に対し、重要な事項について故意に事実を告げず、または不実のことを告げる行為は、宅地建物取引業法第47条が禁じる行為に触れうる。存在しない検討者を告げることが常にこれに当たるとは限らないが、境界は明確でない。危うい橋を渡る利益は、実在する決裂点を一つ増やす努力の価値を下回る。

5. 時間割引率——せっかちな側が譲る

決裂点と並ぶもう一つの決定因が、時間割引率である。ルービンシュタイン解が示したのは、同じ利益を分けるにあたって、遅れをより強く嫌う側の取り分が小さくなるという関係であった。ここでは、その割引率が不動産の当事者において何によって作られているかを分解する。

5.1 割引率とは、待たされることの費用である

時間割引率は性格の問題ではない。一か月の遅れによって自分が失うものの大きさである。失うものが大きい者ほど、割引率が高い。割引率が高い者は、早く合意することの価値を高く評価するから、そのぶん条件で譲る。理論の言葉で述べたことを実務の言葉に直せば、次のようになる。急いでいる側が値段で払う。

ここで注意すべきは、割引率が主観的な焦りとは別物であるという点である。焦っていても実際には何も失っていない売主がいる一方、落ち着いて見えても月々の負担が積み上がっている売主がいる。交渉で問題になるのは後者である。前者の焦りは、それが相手に伝わったときにのみ意味を持つ。この違いは第6節の主題につながる。

5.2 売主の割引率を高めるもの

売主側で割引率を押し上げる要因は、おおむね次の四類型に整理できる。

  • 保有それ自体の負担——固定資産税および都市計画税、火災保険料、光熱費の基本料金、草刈りや見回りの費用。金額としては大きくないことが多いが、期限のない継続的な負担であるため、判断を消耗させる働きがある
  • 資金の日程——住み替え先の購入契約が先に決まっている、住宅ローンの返済が続いている、施設の入所費用や医療費の支払いが予定されている、といった支出の予定。この類型は割引率を最も強く押し上げる
  • 制度上の期日——相続税の申告期限、譲渡所得の特例の適用期間、媒介契約の有効期間の満了。日付が確定しているため、近づくにつれて割引率が階段状に上がる
  • 関係の維持費用——共有者が複数いる場合の合意の維持、遠方からの往復、家族の間で話題にし続けることの負担。金額に換算されないため計上されないが、実際には最も早く売主を譲歩へ向かわせることがある

第四の類型は、理論の枠組みからは見えにくいが実務では頻出する。相続によって兄弟が共有している実家の売却では、合意の維持そのものに費用がかかる。誰か一人が早く終わらせたいと言い出した時点で、共有者全体の割引率はその一人に引きずられる。分けるべき利益は共有持分に応じて分かれるが、割引率は最も高い者の水準に揃いやすい。

5.3 買主の割引率も存在する

交渉理論を持ち込む実益の一つは、相手側の割引率にも同じ分解を当てられることである。買主が遅れによって失うものにも類型がある。現在の住まいの賃貸借契約の更新時期が近い。子の入学や転校の日程が決まっている。勤務先の異動の時期が定まっている。住宅ローンの事前審査には有効期間があり、金利の情勢によっては先送りが負担増につながる。買い替えのために自宅の売却が先に決まっている買主は、売主と同じ構造の日程に縛られている。

これらは推し量ることができる。申込書に記載された希望の引渡し時期、契約希望日、融資の事前審査を受けた時期。内覧時の会話に現れる家族構成と生活の予定。買主が急いでいることを示す手がかりは、売主が急いでいることを示す手がかりと同じ性質のものであり、同じように漏れる。交渉における情報の流れは一方通行ではない。

遅れの重さ
月々の負担
譲る側
時間割引率は性格ではなく、一か月の遅れで実際に失う額である。失う額が大きい側が、条件のほうで支払うことになる。

5.4 割引率は、下げられる場合がある

決裂点と違い、割引率は交渉が始まった後でも動かせる余地がある。動かす方向は二つである。第一に、待つことの費用そのものを減らす。空家の管理を委託して見回りの往復をやめる、火災保険の契約内容を実態に合わせる、といった操作である。金額は小さいが、判断の消耗を減らす効果は小さくない。第二に、日程の側を後ろへ動かす。住み替え先の引渡し時期に猶予を得る、納税資金を売却代金以外から手当てする、といった操作である。

第二の操作は、可能であれば交渉力に対する効果が大きい。売却代金を納税資金に充てる予定が外れれば、期日という階段が一段消える。これは値上げ交渉ではなく、譲る理由を一つ減らす作業である。もっとも、こうした手当てが常に可能とは限らない。可能でない場合には、割引率が高いことを前提として交渉の設計を組むほかない。高い割引率を隠して押し通そうとする戦い方が最も危険であることは、次節で述べる。

6. 期限を持つことと、期限を知られること

本稿の中心的な主張はここにある。売主が期限を持っていることと、その期限を買主に知られていることは、まったく性質の異なる不利である。前者は分け前を削る。後者は交渉そのものを成り立たなくする。この区別を立てないと、対処の方向を誤る。

6.1 期限のある交渉では、最後に提案する側が強い

ルービンシュタインのモデルは無限に続く往復を想定していたが、往復の回数に上限がある場合はストール(1972)が先に扱っていた。有限の場合の解き方は後ろから前へ向かう。最後の一回で提案する側は、相手が断れば双方とも何も得られないと分かっているから、相手にわずかな取り分だけを残す提案を出せる。その一回前の提案者は、この結末を織り込んで提案を組む。こうして遡っていくと、最初の提案の内容が定まる。

この構造から二つのことが分かる。第一に、期限の存在それ自体が、最終局面の提案権に価値を与える。第二に、この計算は、双方が期限の位置を知っていて初めて成り立つ。逆に言えば、一方だけが期限を知っている場合、モデルは対称性を失う。

6.2 期限が一方だけにあり、しかも相手に知られているとき

売主に期日があり、買主に期日がなく、そのことを買主が知っている場合を考える。買主にとって最も有利な行動は、提案を改善することではなく、待つことである。時間が経てば売主の側の割引が進み、条件は自分に有利な方向へ動く。待つことが最善の応答である以上、買主は動かない。売主だけが動く。交渉は交渉の形をとらず、一方的な譲歩の連続になる。

ここで、期限を持つこと自体との違いが際立つ。期限を持っているが知られていない売主は、割引率が高いぶん取り分を削られるものの、交渉は依然として相互的である。買主も、待てば良い条件が来るという確信を持てないから、まとめに行く理由がある。知られた瞬間に、買主が待つ理由が生まれる。削られるのは分け前の一部ではなく、交渉という枠組みそのものである。

売主の期日
知られる差
待つのが最善
期限を持つことは分け前を削るにとどまるが、期限を相手に知られると、相手にとって待つことが最善の行動になり、交渉が一方的な譲歩に変わる。

6.3 期限はどこから漏れるか

売主が期限を口にすることは、実際にはあまり多くない。それにもかかわらず期限は伝わる。伝わる経路は、言葉よりも行動である。

  • 値下げの頻度と幅——短い間隔で値下げが続けば、背後に日程があると読まれる。特に、幅が回を追うごとに大きくなる系列は、切迫の指標として読まれやすい
  • 滞留期間と掲載の変化——長期の滞留に加えて写真の差し替えや紹介文の書き換えが重なると、動きの少なさを売主が意識していることが伝わる
  • 内覧時の会話——いつまでに引き渡せるかという問いへの答え方、家財の片付けの進み具合、施設や住み替え先の話題。相手はここを聞いている
  • 売却の理由の説明——相続税の納付、離婚に伴う財産分与、施設入所の費用。理由の説明はしばしば期日の説明を兼ねている
  • 物件の状態そのもの——電気が止まっている、庭の手入れが途絶えている、郵便物が溜まっている。管理の水準は、所有者が保有を続ける意思の強さの代理指標として読まれる

この一覧が示すのは、期限を秘密にするという方針が、口を閉ざすことだけでは実現しないという事実である。値下げの設計、掲載の管理、物件の維持、そして質問への答え方までを含む一貫した運用が要る。逆に言えば、これらは事前に設計できる。値下げの時期と幅をあらかじめ決めておけば、切迫を映さない形で価格を動かせる。値下げそのものが情報を漏らすのではなく、行き当たりばったりの値下げが漏らす。

6.4 コミットメントという逆説と、その限界

シェリング(1960)は交渉について、一見すると逆説的な指摘を残した。自分の選択肢を減らすことが、交渉上の強みになりうるというものである。これ以上は下げられないという状態に自分を縛りつけ、そのことを相手に信じさせられれば、相手は残された範囲で合意するほかない。期限が相手に知られると不利になるのは、期限が自分を縛るからではなく、自分を縛ったうえで相手にその向きが見えているからである。同じ「縛り」でも、向きが逆であれば強みになる。

不動産の売主が使える実在の縛りは限られている。共有者全員の同意がなければ一定額を下回れないこと、抵当権の抹消に要する残債額を下回れないこと、遺産分割協議で定めた条件。これらは実在する制約であり、相手に伝えても嘘にならない。逆に、存在しない他の検討者や、実在しない社内基準を持ち出すことは、第4節で述べた理由から採るべきではない。縛りの説得力は、それが検証可能な事実であることに由来する。

註:期限の非対称は買主の側にも生じる。買い替えのために自宅の売却が先に決まっている買主、賃貸の退去日が確定している買主は、売主と同じ構造の弱みを抱えている。売主がこれを知りうる立場にあるとき、同じ理屈が反対向きに働く。本稿は売主の側から書いているが、構造そのものは対称である。

7. 売主の実務への含意

以上を、売主が実際に取れる手順に落とす。順序には理由がある。第4節で述べたとおり、決裂点は交渉が始まる前にしか作れない。したがって手順の前半は、指値が届く前に済ませておくべき作業になる。

7.1 売り出す前に、決裂点を二つ以上作る

決裂点を作るとは、この買主と合意しなかった場合に自分が帰る先を、具体的に一つ以上用意しておくことである。次の買主が現れる見込みが最も分かりやすい形だが、それだけではない。売らずに賃貸へ回す道筋、隣地所有者への打診の結果、当面は保有を続けて管理を委託するという選択。いずれも、実現可能性を確かめた時点で決裂点になる。

確かめる、というところが要点である。頭の中で思い描いただけの代替案は決裂点として働かない。交渉の局面で自分がその案を選べると信じられないからである。賃貸に回すのであれば想定賃料と必要な原状回復費用の見積もりまで、隣地への打診であれば実際に声をかけて反応を得るところまで進めておく。そこまで進めた代替案だけが、指値を前にしたときの立ち位置を変える。

7.2 指値が届いたら、三つを順に照合する

金額の当否を考える前に、次の三つを順に確かめる。順序を逆にすると、最初に見た金額に引きずられる。

  • 第一に、提示された条件を手取りに直したとき、自分の下限を上回っているか。下回っていれば、そもそも分けるべき利益がその条件の下では存在しない。金額以外の次元で作れるかどうかが次の論点になる
  • 第二に、自分の決裂点と相手の決裂点は、どちらが細いか。相手に代替の物件があるか、あるとすればどの程度近いものか。この見立てが、譲る幅の目安を与える
  • 第三に、自分の期限は相手に伝わっているか。第6節の五つの経路を一つずつ点検する。伝わっている疑いがあるなら、譲歩の前に、伝わり方を止める操作を先に行う
三つの照合
次元を足す
合意
指値を前にして確かめるのは、手取りの下限、二つの決裂点の相対関係、そして自分の期限が相手に伝わっているかどうかの三点である。

7.3 価格の一次元で返さない

第3節で見たとおり、契約の条件は複数の次元を持ち、各次元に対する評価は両者で異なる。したがって、値引きの要求に対して値引きの可否だけで応じるのは、使える余地を自ら捨てる応じ方である。返し方の型は三つある。

第一は、条件の交換である。価格を保つ代わりに、引渡しの時期を買主の希望に合わせる、残置物の処分を売主が引き受ける、といった組み合わせを提示する。第二は、値引きの理由に直接応える方法である。修繕費の見通しが立たないことが理由なら、必要な箇所の見積もりを取って示すほうが、一律の値引きより安くつく場合がある。第三は、部分的な受諾である。指値の全額ではなく、その一部に応じたうえで、応じられない部分の理由を条件の形で説明する。

いずれの型も、共通の効果を持つ。交渉を金額の押し引きから、条件の組み立てへ移す効果である。金額だけの押し引きでは、譲った額がそのまま損失として記録される。条件の組み立てに移れば、譲った先に相手からの見返りを求める余地が生まれる。

7.4 譲歩の刻み方を、先に決めておく

譲歩の系列そのものが情報を伝える。回を追うごとに幅が縮んでいく系列は、限界が近いという読みを与える。幅が変わらない系列は、まだ余地があるという読みを与える。幅が広がる系列は、切迫を伝える。どの読みを与えたいかを決めてから譲るのと、その場で額を決めるのとでは、同じ譲歩でも意味が変わる。

実務的には、売り出しの前に、譲れる範囲と譲る順序を書いておくのがよい。第一段階で何を渡すか、第二段階で何を渡すか、そしてどこで止まるか。書いておけば、相手からの反応が強いときにも系列が崩れない。第6節で述べたとおり、値下げそのものが情報を漏らすのではなく、設計のない値下げが漏らす。

7.5 契約条件は、合意の後も交渉の一部である

合意は署名で終わらない。民法第557条は、手付が交付されている場合、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付を放棄して、売主は手付の倍額を現実に提供して契約を解除できると定めている。手付の額と、履行の着手がいつ起きるかは、合意の安定性を左右する条件である。融資特約が付されていれば、審査の結果次第で契約が白紙に戻る期日が別に存在する。

交渉理論の観点からは、これらは合意後の期間における決裂点の設計である。価格で譲る代わりに条件を確実にする、という交換が可能な領域でもある。価格の一円を巡って往復するより、この領域を整えるほうが、売主の期待手取りを高めることがある。ここは仲介を依頼した業者の実務能力が最も現れる部分でもあり、売主が業者を選ぶ際の観点の一つになる。

8. 結論と今後の課題

値引き交渉は、譲歩の量を巡る意志の勝負ではない。合意しなかったときに双方に何が残るかと、時間の経過をどちらがより苦にするかという、二つの構造的な量が結果を決めている。本稿の結論はこの一文に尽きる。以下、内容を三点に整理し、限界を述べる。

第一に、分け前を動かすのは決裂点である。ナッシュ(1950)の解が示すとおり、合意しなかった場合の状態が良い側が多くを得る。そして決裂点は交渉の場では作れない。売り出しの前に、実現可能性を確かめた代替案を用意しておくことだけが、この量を動かす方法である。第二に、時間割引率が高い側、すなわち遅れによって実際に失うものが大きい側が、条件のほうで支払う。ルービンシュタイン(1982)の交互提案モデルが与えるのはこの関係である。第三に、期限を持つことと期限を知られることは別の不利である。前者は分け前を削るにとどまるが、後者は相手にとって待つことを最善の行動にしてしまい、交渉を一方的な譲歩に変える。

8.1 理論の限界

限界は正直に書いておく。第一に、本稿が用いた二つのモデルは、いずれも双方が相手の状況を知っているという前提の上に立っている。ナッシュ解は決裂点が両者に見えているものとし、ルービンシュタイン解は割引率が共有知識であるとする。現実の不動産交渉では、どちらも見えていない。見えていない状況を扱う枠組みは別に存在するが、そこでは交渉が長引くことや、合意可能であるのに決裂することが均衡として現れる。本稿が第3節で触れた、幅があるのに壊れる取引は、この系統の議論に属する。

第二に、両者が徹底して打算的に振る舞うという前提も、そのままでは成り立たない。ギュートらが1982年に報告した最後通牒交渉の実験を端緒として、人は自分の取り分が減っても不公平と感じる配分を拒むことがある、という結果が数多く積み重ねられてきた。受け取る額そのものよりも分け方の公平さが行動を左右する場面があるということである。実務でも、金額としては受け入れられる指値が、その出し方への反発によって断られることは起こる。理論はこの部分を説明しない。

第三に、当事者が一人であるという前提が、相続案件では崩れる。共有者が複数いれば、決裂点も割引率も人ごとに異なる。第5節で述べたとおり、割引率は最も高い者に引きずられやすい一方、決裂点の評価は人ごとに分かれる。誰の下限を採り、誰の期日に合わせるのかという問題は、交渉理論の外にある合意形成の設計であり、別に扱う必要がある。

8.2 代理人が交渉するという構造

本稿は売主と買主が直接交渉する場面として議論を進めたが、実務では双方が仲介業者を介する。ここに、本稿の枠組みでは扱いきれない論点が生じる。代理人の割引率は本人の割引率と一致しない。媒介の報酬が成約を条件とする以上、代理人は成約しないことによって報酬を失う立場にあり、その意味で本人より遅れを嫌う側に傾きうる。売主が急いでいないのに、助言する側が急いでいるという構図は成り立ちうる。

筆者自身がこの構造の中にいることは、第1節で述べたとおりである。自社で買い取る事業を持たないため、買主として売主と対峙する立場にはない。しかし成約を条件とする報酬の設計は当社にも当てはまり、成約を望む誘因は存在する。読者に対して誠実であろうとするなら、この誘因を隠さずに示したうえで、助言の内容がその誘因に沿っていないかを読者が点検できるようにするほかない。本稿でいえば、第7節が譲歩を勧める方向に偏っていないかどうかが点検の対象になる。代理人の誘因と本人の利益の乖離を扱う議論は、依頼人と代理人の関係を主題とする稿に譲る。

8.3 残された論点

本稿は買主が一人である場面を想定した。複数の買主が同時に現れる場合、構造は交渉から競争へ移り、扱う理論も入札の理論へ移る。売主にとっての含意も変わる。交渉では決裂点を作ることが要点であったが、競争では買主同士の関係の設計が要点になる。両者をどう接続するか——いつ交渉として扱い、いつ競争として扱うか——は、別稿で論じる。

また、本稿は受諾の下限を所与として扱った。実際には下限そのものが時間とともに動く。下限の動き方は探索理論の主題であり、下限の動きと交渉の設計をどう整合させるかは、両方の稿を踏まえて改めて検討すべき課題として残る。

最後に実務者としての所感を一つ記す。値引き交渉で最も多い後悔は、譲りすぎたことそれ自体よりも、なぜ譲ったのかを自分で説明できないことにある。決裂点と割引率という二つの言葉を持っているだけで、譲る理由と譲らない理由は言葉になる。言葉になれば、後から検証できる。交渉理論が売主に与えるのは、勝つ技術ではなく、自分の判断を自分で説明できるようにする語彙である。

参考文献

  1. ジョン・F・ナッシュ(1950)「交渉問題」
  2. ジョン・F・ナッシュ(1953)「二人協力ゲーム」
  3. アリエル・ルービンシュタイン(1982)「交渉モデルにおける完全均衡」
  4. インゴルフ・ストール(1972)『交渉理論』
  5. ケネス・ビンモア/アリエル・ルービンシュタイン/アッシャー・ウォリンスキー(1986)「経済モデリングにおけるナッシュ交渉解」
  6. エフード・カライ/メイア・スモロディンスキー(1975)「ナッシュの交渉問題に対する別の解」
  7. ラインハルト・ゼルテン(1965)「需要の惰性を伴う寡占モデルのゲーム論的取扱い」(部分ゲーム完全均衡の提唱)
  8. トーマス・C・シェリング(1960)『紛争の戦略』(河野勝訳、勁草書房、2008)
  9. ロジャー・フィッシャー/ウィリアム・ユーリー(1981)『ハーバード流交渉術』
  10. ハワード・ライファ(1982)『交渉の科学』
  11. ヴェルナー・ギュート/ロルフ・シュミットベルガー/ベルント・シュヴァルツェ(1982)「最後通牒交渉の実験的分析」
  12. 民法(明治29年法律第89号)第557条「手付」
  13. 宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)第34条の2・第47条
  14. 国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」
  15. 磐田市「磐田市の人口 令和8年度」(2026年7月末現在)
富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役 大石 浩之

大石 浩之

富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役
宅地建物取引士(静岡県知事 第027186号)

富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役。宅地建物取引士(静岡県知事 第027186号)。静岡県磐田市見付5789番地1で不動産業を営む。

自社で買い取る事業を持たず、仲介一本で売主の側に立つことを事業の前提に置いている。買主になれば「安く買いたい人」になり、同じ口で価格の妥当性を説明できなくなる、という理由による。買取・買取保証という売り方そのものは否定せず、売主が選んだ場合は買主にならずに複数社の見積もりを比較する立場に回る。

同社は不動産業のほか、磐田市内で介護事業を営む。高齢期の住み替え、施設入居、実家の処分という一連の局面に事業として接してきたことが、本シリーズの問題意識の背景にある。

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