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オペレーションズ管理

反響・内覧・申込の歩留まりを見る

販売プロセスを工程として管理し、詰まりの場所を特定する

富士ヶ丘サービス株式会社代表取締役 大石 浩之初出 2026.08.23

要旨

売却が進まないという事態は、実務ではしばしば一語で報告される。反応がない、というその一語の中には、掲載が見られていない状態、見られているが問い合わせに至らない状態、問い合わせはあるが内覧に進まない状態、内覧はあるが申込が出ない状態という、原因も処方も異なる複数の事態が畳み込まれている。畳み込まれたままでは、売主に残る手は値下げひとつになる。

本稿は、販売の進行を工程として分割し、問い合わせ数・内覧数・申込数という三段階の歩留まりを別々に数える方法を提示する。三つの歩留まりは、それぞれ別の問いに答えている。第一は見つかっているか、第二は現地へ行く理由があるか、第三は現物の評価と価格が釣り合っているかである。価格は三段階のすべてに触れるが、触れ方が違う。第一段階では検索条件の区切りとして飛び飛びに働き、第二段階にはほとんど効かず、第三段階では評価との差として連続的に働く。この違いが、価格の問題と情報の問題を切り分ける根拠になる。

そのうえで本稿は、地方都市の薄い市場では分母が一桁にとどまり、歩留まりの比率が安定しないという測定上の困難を正面から扱う。統計的工程管理が区別してきた共通原因の変動と特殊原因の変動、そしてデミングの漏斗実験が示した過剰調整の害を手がかりに、数えた結果にいつ反応し、いつ反応しないかの規律を与える。最後に制約理論の枠組みを用い、制約は一度に一つであること、そして直せば移動することという二つの原則を、売却の工程に当てる。

歩留まり工程管理制約理論販売プロセス内覧測定の定義

1. はじめに——問題の所在

売り出してから一か月が過ぎ、売主が仲介業者に状況を尋ねる。返ってくる言葉は、多くの場合ひとつである。反応がありません。この一語は、売主にとって何の材料にもならない。にもかかわらず、この一語をきっかけに次の相談が始まり、その相談はたいてい価格の話になる。反応がないのだから価格が高いのだろう、という推論が自動的に働くためである。

しかし反応がないという状態には、少なくとも四つの異なる事態が含まれている。掲載そのものが見られていない。見られてはいるが問い合わせに至らない。問い合わせは来るが内覧の日程に進まない。内覧はあったが申込が出ない。この四つは、原因も、打つべき手も、要する費用も違う。値下げが強く効くのは、このうち一つか二つに過ぎない。四つを畳み込んだまま議論すれば、売主に残る選択肢は値下げひとつになる。選択肢がひとつしかないように見えるとき、それはたいてい問題の切り分けを怠っている。

反応がない
どこで止まったか
段階に分ける
反応がないという一語には、原因も処方も異なる複数の事態が畳み込まれている。段階に分けて数えるまで、値下げ以外の選択肢は見えてこない。

本稿の問いはここにある。販売の進行を工程として分割し、問い合わせ数・内覧数・申込数という三つの段階の歩留まりを別々に数えたとき、売主は何が分かるようになるのか。そして、分かったことから何を決められるのか。

方法として用いるのは、オペレーションズ管理の枠組みである。具体的には、工程を分けて段階ごとの通過率を見る歩留まりの考え方、制約が全体の流れを決めるという制約理論、そして測定された数値の変動をどう読むかを扱う統計的工程管理の三つを手がかりにする。いずれも製造業の現場で育った道具であり、そのまま不動産に持ち込めば無理が出る。無理が出る箇所は第6節でまとめて扱う。

本稿が扱わないことも先に述べておく。売り出しからの経過日数が成約確率と成約価格に何をするか、そして価格改定の日をいつに置くかという問題は、別稿で市場滞留期間の枠組みを用いて論じた。本稿の軸は時間ではなく段階である。同じ三か月でも、問い合わせが一件も来ないまま過ぎた三か月と、内覧が七件あって申込が出ないまま過ぎた三か月では、次に打つ手がまったく異なる。時間だけを見ていては、この違いが見えない。

以下、第2節で販売を工程として読むための語彙を整える。第3節で三つの歩留まりがそれぞれ何を測っているかを分解し、価格が段階ごとに違う働き方をすることを示す。第4節では、数える前に定義を決めておかなければ数が意味を持たないという測定の問題を扱う。第5節は、地方の薄い市場で分母が一桁にとどまるとき、その数字にどう反応すべきかという規律の問題である。第6節で制約理論を適用し、あわせて工程という比喩の限界を検討する。第7節を売主の実務に落とし、第8節で残された課題を述べる。

筆者は静岡県磐田市で不動産の媒介を業とする者である。自社で買い取る事業を持たないため、売却が長引くことは自社の利益にならない。本稿が段階ごとの計測にこだわるのは、詰まりの場所を早く特定することが、売主と媒介者の双方にとって同じ方向の利益になるからである。立場を隠して中立を装うことはしない。

2. 販売を工程として読む

工程管理の言葉を、不動産の売却に持ち込む前に整理しておく。使うのは三語だけである。工程、歩留まり、制約。この三語が指すものを取り違えると、以下の議論はすべて比喩の遊びになる。

2.1 工程・歩留まり・制約という三語

工程とは、投入されたものが次の状態へ移る一区切りをいう。前の工程の出口が次の工程の入口になる。歩留まりとは、ある工程に入った量のうち、次の工程へ進んだ量の割合である。製造業では、投入した材料のうち良品として次へ送れた割合を指す。制約とは、全体の流れを決めている最も細い箇所をいう。ゴールドラット(1984)が示したとおり、鎖の強さは最も弱い環で決まり、その環以外をいくら強くしても鎖は強くならない。

この三語を不動産に置き換える。工程は、買主候補が売主の物件に近づいていく段階である。歩留まりは、その段階を通過した候補の割合である。制約は、その中で最も通過率の低い段階、つまり候補が最も多く脱落している段階を指す。

2.2 集計は情報を消す

段階に分けることの利得は、統計以前の単純な理屈から出る。集計は情報を消す、という理屈である。三か月で問い合わせが十件あったという数字は、それだけでは何も語らない。ところが、十件のうち内覧に進んだのが一件だったと分かれば、資料と現地のあいだに何かがあると分かる。十件のうち八件が内覧に進み、そのうち申込がゼロだったと分かれば、問題は資料ではなく現物の評価か価格にあると分かる。同じ十件という総数から、正反対の診断が出る。

総数だけを見ているかぎり、原因の候補は絞られない。絞られないまま判断を迫られると、人は最も分かりやすい変数に手を伸ばす。それが価格である。段階に分けて数えるという操作の第一の効用は、価格以外の変数を議論の俎上に載せることにある。

工程に分ける
段階ごとに数える
比を見る
総数は情報を消す。同じ問い合わせ十件でも、内覧に進んだのが一件か八件かで、診断はまったく逆になる。段階ごとの比が原因の場所を指す。

2.3 なぜ三段階に絞るのか

売却の全体を並べれば、工程はもっと多い。媒介契約、指定流通機構への登録、販売図面の作成、ポータルサイトへの掲載、閲覧、問い合わせ、内覧、申込、条件交渉、契約、融資審査、決済と引渡し。このうち本稿が扱うのは、問い合わせ・内覧・申込の三段階に限る。理由は二つある。

第一に、それより前の工程は流量ではなく状態だからである。登録したか、掲載したか、図面に何を書いたかは、一度決めれば当面変わらない設定であって、日々流れていく量ではない。これらは歩留まりの分母を作る条件であり、数えるものというより点検するものである。第二に、申込より後の工程は、脱落の原因が売主の販売活動とはほぼ独立しているためである。融資審査の否認や、買主側の事情による白紙解除は、取引リスクの管理という別の主題に属する。

したがって本稿の対象は、市場に出したあと売主が実際に手を打てる区間である。この区間を三つに割り、二つの比を見る。問い合わせに対する内覧の比、内覧に対する申込の比。そして問い合わせそのものの実数である。以下、便宜的に、掲載から問い合わせまでを第一段階、問い合わせから内覧までを第二段階、内覧から申込までを第三段階と呼ぶ。

註:待ち行列の分野には、系内にとどまる平均数が到着率と平均滞在時間の積に等しいというリトルの関係(リトル1961)がある。本稿は流量の比のみを扱い、この関係そのものは用いない。売却では到着率が定常でなく、売り出し直後に集中する性質を持つためである。

3. 三つの歩留まりは、別々の問いに答えている

三段階に分ける意味は、単に細かく見るためではない。各段階が、買主候補に対して異なる問いを投げかけているからである。段階ごとの歩留まりは、その問いへの市場からの回答である。何を問うているかが分かれば、答えの読み方も決まる。

3.1 第一段階が問うているのは、見つかっているか

掲載から問い合わせまでの段階で問われているのは、その物件が買主候補の視界に入っているかである。ここでの脱落は、検討の結果として落ちたのではない。多くは、そもそも一覧に現れていない。買主は上限価格を指定して検索する。指定される上限は切りのよい数字に集中するため、その区切りの一段上に置かれた物件は、内容にかかわらず一覧から消える。地域や面積の指定でも同じことが起きる。

視界に入ったうえで通り過ぎられる場合もある。写真が少ない、外観しかない、間取図がない、更新日が古い。買主にとって、情報の乏しい掲載は問い合わせという手間を払う理由がない対象である。第一段階の歩留まりが低いとき、疑うべきは価格の区切りと掲載の情報量であって、物件そのものの質ではない。物件の質はまだ評価されていない。

3.2 第二段階が問うているのは、現地へ行く理由があるか

問い合わせから内覧までの段階は、資料と現物のあいだの距離を測っている。買主は既に関心を示している。にもかかわらず現地へ足を運ばないのは、行っても解消しない疑問が残っているからである。市街化調整区域で建て替えができるのか。境界は確定しているのか。増築部分は登記されているのか。残置物はどうなるのか。これらに資料が答えていなければ、買主は行く前に降りる。

日程の摩擦も、この段階に含まれる。居住中で内覧できる日が限られる、鍵の管理が遠方の所有者にある、案内できる担当者が週末に一人しかいない。こうした事情は、買主から見れば関心の減衰する時間として作用する。第二段階の歩留まりは、物件の魅力より、情報と段取りの整い方を映す指標である。

3.3 第三段階が問うているのは、評価と価格が釣り合っているか

内覧から申込までの段階で、はじめて買主は現物を評価している。ここでの脱落は、評価そのものが低いか、評価は妥当だが価格との差が埋まらないかのいずれかである。両者は外から見分けがつかないため、指摘の内容を集めるしかない。同じ指摘が複数の買主から出ているなら、それは個人の好みではなく市場の評価である。逆に、指摘がばらばらであれば、まだ市場の評価は定まっていない。

第三段階には、比較対象の存在という要素も入る。買主は内覧した時点で、たいてい二件から数件を並べている。自分の物件の評価が下がったのではなく、同時期に条件の近い物件が出て相対的に見劣りしただけ、ということが起こる。この可能性を確かめるには、自分の物件だけを見ていては足りない。

見つかるか
行く理由
評価と価格
三つの段階は、それぞれ別の問いを買主に投げている。見つかっているか、現地へ行く理由があるか、現物の評価と価格が釣り合っているか。

3.4 価格は三段階すべてに触れるが、触れ方が違う

ここが本稿の中心命題である。価格はどの段階にも関係する。しかし関係の仕方が段階ごとに異なるため、値下げの効き目も段階ごとに異なる。

第一段階で、価格は検索条件の区切りとして働く。作用は飛び飛びである。区切りをまたぐまで下げれば届く層が一段増え、またがなければ何も変わらない。したがって、区切りの直上にある物件にとって値下げは強く効き、区切りの直下にある物件にとってはほとんど効かない。同じ下げ幅でも効果が違うのは、この離散性のためである。

第二段階で、価格はほとんど効かない。この段階の買主は、その価格を見たうえで問い合わせている。価格を理由に降りているのではなく、情報の不足を理由に降りている。ここで値下げをしても、失われた候補は戻らない。第二段階の詰まりに値下げで応じることは、工程管理の言葉でいえば、制約ではない箇所に資源を投じる行為にあたる。

第三段階で、価格は評価との差として連続的に働く。ここでの値下げは、下げた分だけ差を縮める。買主が既に現物を見て評価を終えているため、金額の動きがそのまま比較の結果に反映される。逆にいえば、値下げが最も素直に効くのはこの段階であり、しかもこの段階は、候補の数が最も少ない段階でもある。

段階入口の数出口の数詰まっているときに疑うもの値下げの効き方
第一段階掲載の閲覧問い合わせ検索条件の区切り、情報量、掲載媒体区切りをまたげば強い(飛び飛び)
第二段階問い合わせ内覧資料の不足、未確認事項、日程の摩擦ほとんど効かない
第三段階内覧申込評価と価格の差、条件、競合の存在下げた分だけ効く(連続的)

この表が示すのは、価格の問題か情報の問題かという問いに、段階の特定が答えを与えるということである。第二段階で詰まっているなら、それは情報の問題である。第三段階で同じ指摘が繰り返されるなら、それは価格か条件の問題である。第一段階で詰まっているなら、価格の水準そのものというより、価格が置かれている位置の問題である。

4. 数える前に、数え方を決める

歩留まりを使う議論は、数が正しく数えられていることを前提にしている。ところが不動産の販売現場で、この前提はしばしば崩れる。崩れる理由は測定の技術ではなく、定義の不在にある。何を一件と数えるかが決まっていないため、同じ実態から違う数字が出る。品質管理の分野で測定システムそのものを点検の対象に含めてきたのは、測る道具の誤差が、測られる対象のばらつきと区別できなくなるからであった。

4.1 一件とは何か

問い合わせ一件という数え方には、少なくとも次の曖昧さがある。同一人物が電話とメールで二度接触した場合、一件か二件か。他社の担当者が客付けの可否を確認してきた場合、これを含めるか。資料請求だけで終わった接触と、来店して条件を話した接触を、同じ一件と数えてよいか。ポータルサイト経由の自動送信メールと、直接の電話を区別するか。

どの定義が正しいということはない。重要なのは、期間を通じて同じ定義を使うことである。定義が動けば、増えたのか、数え方が変わったのかが判別できなくなる。判別できない数字を根拠に価格を動かせば、それは根拠のない改定と変わらない。

内覧も同様である。買主本人が現地を見た場合のみを内覧と数えるのか、他社の担当者による下見を含めるのか。同じ買主が二度目に来た場合を別の一件とするのか。二度目の内覧は、第三段階の重要な兆候であるため、初回と区別して記録する意味がある。申込についても、書面による購入申込を受けた場合のみを数えるのか、口頭での価格打診を含めるのかで数字は変わる。

4.2 分母は媒体ごとに定義が違う

第一段階の歩留まりを計算するには、閲覧数という分母が要る。しかしこの分母は、掲載している媒体の事業者が定義しているものであり、媒体を越えて比較できない。ある事業者の閲覧数と別の事業者の閲覧数を足すことに、統計上の意味はない。同じ人物が両方を見ていれば二重に数えられ、集計期間の区切り方も一致しない。

したがって第一段階については、比率よりも件数の推移を見るほうが安全である。同じ媒体の中での前期比、そして問い合わせの実数である。媒体をまたいだ合算は、傾向を見る参考にとどめる。数字の精度を、それが支えられる以上の判断に使わないこと。これは測定を扱うときの基本的な作法である。

定義を決める
同じ様式で数える
前期と比べる
何を一件と数えるかが決まっていなければ、増減と数え方の変化を区別できない。定義は数え始める前に、書面で決めておく。

4.3 期間の区切りと、初週という特異点

期間の区切りは、外から与えられているものを使うのが実務的である。宅地建物取引業法34条の2は、専任媒介契約について二週間に一回以上、専属専任媒介契約について一週間に一回以上の業務処理状況の報告を求めている。この周期を、そのまま計測の区切りに使う。売主が自分で区切りを設けるより、制度上の日付に合わせたほうが、報告と計測が二度手間にならない。

ただし売り出しの初週は、他の週と同じ枠で扱わないほうがよい。売り出し直後には、それまで市場を見ていた検討者の蓄積に一度だけ情報が届くため、問い合わせが集中する。この集中は物件の性質より、掲載された事実そのものから生じている。初週の数字を平常時の基準にすれば過大な期待になり、初週を含めた平均を基準にすれば以後の低下を実態以上に悪く見せる。初週は別枠で記録し、比較の基準からは外す。

4.4 数える人と、使う人が違う

最後に、この計測に固有の事情がある。数字を作るのは媒介業者であり、その数字を使って判断するのは売主である。売主は自分で問い合わせを受けることも、内覧に立ち会うこともできない場合が多い。つまり売主は、自分では観測できない量について判断を求められている。

この構造から導かれる実務上の帰結は単純である。定義は、媒介契約を結ぶ時点で合意しておく。売り出したあとで定義を決めようとすれば、既に出ている数字が定義の選択に影響してしまう。少ない数字を前にして定義を広げれば数は増え、増えた数は判断を鈍らせる。先に決めて紙に残すことは、業者への不信の表明ではなく、両者が同じ数字を見るための最低限の準備である。

5. 小さい数をどう読むか

ここまでの議論には、大きな弱点がある。歩留まりは比率であり、比率は分母が十分に大きくなければ意味を持たない。ところが地方都市の個別物件では、分母は一桁にとどまる。静岡県磐田市は人口およそ16万3千人(2026年7月末現在)の市であり、住宅地の公示地価は2026年で1平方メートルあたり50,086円、前年比プラス0.16%と、価格が大きく動かない市場である。森町にいたっては人口およそ1万5,900人(2026年4月1日時点)である。こうした市場で、一つの物件に月に何十件も問い合わせが来ることはない。

5.1 一桁の分母で比率を語らない

問い合わせ三件のうち内覧一件と、問い合わせ八件のうち内覧三件を比べる。比率はほぼ同じだが、前者から読み取れることは後者よりはるかに少ない。三件のうち一件という結果は、たまたま二人の都合が合わなかっただけでも生じる。比率を計算できることと、その比率が何かを語っていることは別である。

実務的な線引きとして、第二段階・第三段階の歩留まりは、分母が累計で一定数に達するまで比率として扱わないほうがよい。それまでは件数そのものと、脱落した理由の内容を見る。理由の内容は、件数が少なくても情報を含む。三件の問い合わせのうち三件ともが調整区域の建て替え可否を尋ねて降りたのであれば、分母が三でも診断は明確である。数の少なさは、比率の信頼性を損なうが、内容の読み取りを損なわない。

5.2 共通原因の変動と、特殊原因の変動

シューハート(1931)が統計的工程管理の基礎として示した区別が、ここで役に立つ。工程の出力に見られる変動には二種類ある。ひとつは、その工程に常につきまとっている多数の小さな要因から生じる共通原因の変動。もうひとつは、通常は存在しない特定の事象から生じる特殊原因の変動である。前者に個別に反応してはならず、後者は原因を特定して取り除くべきものとされる。

売却に置き換える。ある週に内覧が入らなかった。その週が雨だった、連休だった、担当者が不在だったというのは共通原因に近い。市場に常につきまとう揺らぎであり、その一回に反応して価格を動かす理由にはならない。他方、近隣に条件のよく似た物件が新たに売り出された、道路の工事が始まった、掲載が更新されず一覧の下に沈んだというのは特殊原因である。これらは特定でき、対処もできる。

報告に脱落理由の記述を含めるべき理由は、この区別を可能にするためである。数字だけでは、変動がどちらの原因から来たのかが判別できない。判別できなければ、あらゆる変動が同じ重みで扱われ、反応すべきでないものに反応することになる。

小さい分母
ばらつき
過剰な反応
分母が一桁の比率は、ばらつきと傾向を区別できない。数字の一回の動きに反応することは、しばしば状態を改善せずに悪化させる。

5.3 過剰調整は状態を悪くする

デミング(1986)が講義で用いた漏斗の実験は、この点を鮮やかに示している。漏斗から玉を落として的を狙う。落ちた位置が的からずれるたびに、そのずれを打ち消す方向へ漏斗を動かす。直感的には精度が上がりそうだが、実際には玉の散らばりは動かさない場合より大きくなる。共通原因による揺らぎを信号として扱い、そのつど調整を加えた結果である。

売却の現場では、この過剰調整が三つの形で現れる。一件の内覧で出た指摘を受けて設備の交換を決めること。二週続けて問い合わせがないことを理由に価格を動かすこと。そして最も多いのが、価格と写真と条件を同時に変えることである。三つを同時に変えれば、次の期間に何が起きても、どれが効いたのかは分からない。分からないまま、また三つを変えることになる。

5.4 反応の規律をあらかじめ決めておく

対処は、反応の条件を先に決めておくことに尽きる。どの数字が、どの水準を、何期間続けて下回ったときに何を検討するか。これを売り出し前に決めておけば、数字が出た後の解釈に迷いが入りにくくなる。基準を後から作れば、出てしまった数字に合わせて基準のほうが動く。

同時に、変更は一度に一つとする。工程を変えたなら、次の区切りまではその一つの変更だけで様子を見る。改善の速度は落ちるが、何が効いたかという知識は残る。売却は一度きりの出来事に見えるが、その一度の中で計測と変更は何度も繰り返される。繰り返しの中で学べるかどうかは、変更をひとつずつ切り分けたかどうかで決まる。

註:ここでいう反応の規律は、価格を動かさないための口実ではない。基準に達したときには動かすという約束も、同じ規律の一部である。動かす条件と動かさない条件の双方を、同じ紙に書いておくことに意味がある。

6. 制約は一度に一つであり、直せば移動する

段階ごとに数え、数字への反応の規律を決めた。次に決めるのは、どこから手を付けるかである。ここで制約理論が二つの原則を与える。制約は一度に一つであること。そして、制約を解消すれば制約は別の場所へ移動することである。

6.1 制約以外を改善しても、全体は改善しない

ゴールドラット(1984)の議論の核心は、局所的な改善の総和が全体の改善にならないという指摘にあった。工程のどこかに最も細い箇所があるとき、そこ以外の工程をどれだけ速くしても、全体の産出量は変わらない。速くなった分は、細い箇所の手前に滞留として積み上がるだけである。

売却でこれに相当するのは、内覧段階で詰まっているのに掲載写真を増やす、といった行動である。写真を増やせば第一段階の通過は改善するかもしれない。しかし内覧から申込への通過が制約であるかぎり、増えた候補は内覧の手前と後で脱落する。売主から見れば、活動は活発になったのに結果は変わらないという状態になる。第一段階を改善したこと自体は誤りではない。誤りは、そこが制約ではないと分かる前に手を付けたことにある。

制約理論が示す手順は、特定・活用・従属・強化・繰り返しという五つの段階である。売却に置き換えれば、まず最も通過率の低い段階を特定する。次に、その段階で今すぐできることを費用をかけずにやり尽くす。他の工程の判断をその段階に合わせる。それでも足りなければ費用をかけて強化する。そして解消したら、また特定に戻る。

6.2 制約は移動する

五つ目の繰り返しが重要である。第一段階の詰まりを解消して問い合わせが増えれば、そのぶん第二段階に流れ込む量が増える。もともと第二段階に弱点があったなら、それはこれまで表に出ていなかっただけで、流量が増えた途端に制約として現れる。価格を下げて問い合わせが倍になったのに内覧が増えない、という状況はこうして生じる。

したがって、売却の工程表は一度作って終わりにならない。区切りごとに、どこが最も細いかを問い直す。前回の答えを前提にして今回の手を選ぶと、既に移動した制約を追いかけ続けることになる。値下げを繰り返しても状況が変わらない売却の一部は、この構造から説明できる。最初の値下げで第一段階の制約が解消されたあと、制約は第三段階へ移っている。にもかかわらず、効いた記憶のある手段が繰り返される。

最も細い箇所
そこだけ直す
制約は移る
制約以外を改善しても全体は変わらない。そして制約を解消すれば、制約は別の段階へ移る。工程表は区切りごとに問い直す。

6.3 反論——一度しか売らないものに工程管理は使えるか

工程管理は、同じ作業が反復される場面で力を発揮する道具である。不動産の売却は一生に一度か二度の出来事であり、反復がない。この批判は正当であり、正面から答える必要がある。

答えは、反復していないのは成果であって工程ではない、というものである。売却という成果は一度きりだが、掲載・問い合わせ・内覧という工程は、販売期間の中で毎週繰り返されている。三か月の販売期間には、二週間の報告周期でいえば六回の区切りがある。学習の機会は六回あり、その六回を活かせるかどうかが結果を分ける。

もう一点。反復が乏しいからこそ、段階分割の価値は上がる。反復が多ければ、総数の推移を眺めているだけでも傾向は見えてくる。反復が乏しい場面では、少ない観測から最大限の情報を引き出す必要があり、そのための方法が分割である。一件の脱落からでも、どの段階での脱落かが分かれば診断に使える。

6.4 比喩の限界——買主は材料ではない

他方で、工程という比喩を押し通せない箇所もはっきりしている。三点挙げる。

  • 歩留まりに目標値を置けない。製造工程では良品率の目標を設定できるが、買主の選好は工程能力のように安定していない。段階ごとの通過率に望ましい水準を設定して業者に達成を求めれば、数え方のほうが目標に合わせて動く
  • 脱落は損失ではない。条件の合わない候補が早く降りることは、工程の失敗ではなく機能である。歩留まりを上げること自体を目的にすると、内覧を増やすために不利な情報を伏せるといった、順序の逆立ちが起きる
  • 最後の一件が結果を決める。製造では歩留まりの平均が産出量を決めるが、売却で必要な申込は一件である。平均的な通過率が低くても、条件の合う一人に届けば取引は成立する。歩留まりは診断の道具であって、成果の指標ではない

この三点は、本稿の枠組みを使う際の制限条件である。歩留まりは、詰まりの場所を特定するために数える。数えた値そのものを良くしようとした瞬間、指標は診断の道具であることをやめる。

7. 売主の実務への含意

以上を、売主が実際に行える手順に落とす。順序に意味がある。数え方の合意は売り出し前にしかできず、診断は数が溜まってからしかできない。この二つを取り違えると、どちらも中途半端になる。

7.1 媒介契約の前に、三つの数の定義を紙に書く

媒介契約を結ぶ場で、報告に含める項目を取り決める。第4節で述べたとおり、定義は数字が出る前に決めなければ意味を持たない。取り決めるのは次の四点である。

  • 問い合わせの数え方——同一人物の重複をどう扱うか、他社経由の照会を含めるか、媒体別に分けて記録するか
  • 内覧の数え方——買主本人の来訪に限るか、二度目の内覧を別に記録するか、案内の日付を残すか
  • 申込の数え方——書面による購入申込に限るか、口頭の価格打診を別枠で記録するか
  • 脱落理由の記録——問い合わせのあと内覧に至らなかった場合と、内覧のあと申込に至らなかった場合について、買主側から出た言葉を要約で残すこと

四つ目が最も価値がある。第5節で見たとおり、件数が少ない市場では、比率よりも理由の内容のほうが多くを語る。同じ理由が繰り返されているかどうかは、三件でも読み取れる。

7.2 最初の二週間は、数えるが判断しない

売り出しの初週には、それまで市場を見ていた検討者への一斉到達が起きる。この期間の数字は平常時の水準ではないため、良くても悪くても判断の材料にしない。記録は取るが、比較の基準からは外す。判断を始めるのは、二回目の報告以降である。

初週にできるのは、点検であって判断ではない。指定流通機構への登録が完了しているか、登録内容が販売図面と一致しているか、掲載されている媒体で自分の物件が実際に検索できるか。売主が自分の条件で検索して自分の物件が現れるかを確かめる作業は、第一段階の前提が満たされているかの直接の確認になる。

7.3 詰まっている段階を特定し、その段階の手だけを打つ

二回目以降の報告日に、三つの数を並べる。最も通過率の低い段階が、その時点の制約である。制約が特定できたら、その段階に属する手だけを打つ。他の段階の改善は、費用がかからないものを除いて後回しにする。

制約の位置費用をかけずに先に試すこと費用をかけて行うことこの段階で価格を動かす意味
第一段階(問い合わせが出ない)検索の区切りに対する自分の位置を確認、写真の追加と差し替え、掲載情報の追記、更新掲載媒体を増やす、有償の掲載枠を検討する区切りをまたぐ幅であれば意味がある
第二段階(内覧に進まない)未確認事項の調査と資料化、間取図の作成、境界と越境の明示、案内可能日の拡大確定測量、建築可否の事前確認、片付けと簡易な清掃この段階では効果が乏しい
第三段階(申込が出ない)指摘の集計、引渡し条件と時期の調整、残置物の扱いの明示指摘が集中した箇所の部分補修指摘が価格に集中しているなら意味がある

表の第三列は、費用をかける前に第二列をやり尽くすという順序を示している。制約理論でいう活用の段階である。第二段階の詰まりに対して確定測量を行うかどうかは、それが買主の降りる理由として繰り返し挙がっているかで決める。挙がっていないなら、その支出は制約に向いていない。

区切りごとに
一つ決める
次の候補へ
報告の区切りごとに、最も通過率の低い段階を一つ特定し、その段階の手だけを打つ。変更を一つに限ることで、何が効いたかが残る。

7.4 変更は一度に一つ、変えた日を記録する

第5節で述べた過剰調整を避けるため、区切りごとの変更は一つに限る。そして変更した日付を記録に残す。日付が残っていれば、次の区切りで数字が動いたときに、その変更と結び付けて読める。残っていなければ、動いたか動かなかったかしか分からない。

実務では、価格の改定と掲載写真の入れ替えを同時に行いたくなる場面が多い。どちらも効果が期待できるからである。しかし同時に行えば、次に同じ状況になったときに使える知識は残らない。売却期間が三か月なら、変更の機会は多くて数回である。その数回を、切り分けて使う。

7.5 申込が出ないときは、下位に分けて読む

第三段階の詰まりは、そのままでは処方に結び付かない。指摘の内容を四つに分けて読む。価格に関する指摘か、物件そのものに関する指摘か、引渡し条件や時期に関する指摘か、買主側の資金調達に関する事情か。

価格に集中しているなら、値下げは素直に効く段階である。物件そのものへの指摘が集中しているなら、その箇所に手を入れるか、その点を承知する買主層へ届け方を変えるかの二択になる。条件と時期の指摘であれば、金額を動かさずに解決できる可能性がある。引渡し時期を三か月後ろにずらすだけで進む取引は珍しくない。資金調達の事情であれば、それは物件の問題ではなく、買主候補の選び方の問題である。

7.6 数が出ないときに、代わりに見るもの

薄い市場では、三か月を通じて問い合わせが数件しかないこともある。その場合、自分の物件の数字だけでは診断できない。代わりに見るのは、同じ市場に出ている他の物件の動きである。条件の近い物件が同時期にいくつ出ているか、それらが動いているか、価格をどう変えているか。自分の物件が止まっているのか、市場そのものが止まっているのかは、この比較でしか区別できない。

もう一つは、他社の担当者からの反応である。指定流通機構に登録された物件には、買主を抱える他社から照会が入る。この照会の有無と内容は、業界内でその物件がどう見られているかを映す。売主にとっては見えない情報であるため、報告項目に含めておく必要がある。

なお、期限が厳しく、どの段階を直しても数が出ないと見込まれる場合には、買取という売り方が選択肢に入る。当社はその取引の買主にはならず、自らの側から買取を先に勧めることもしないが、売り方として否定はしない。その場合も本稿の枠組みは無駄にならない。どの段階で止まっていたかという記録は、買取会社が提示する価格の根拠を検討する材料になるからである。

8. 結論と今後の課題

問い合わせ数・内覧数・申込数を分けて数えると、何が分かるようになるのか。本稿の答えは、価格の問題と情報の問題が区別できるようになる、というものである。区別は、三つの段階が買主に対して別々の問いを投げているという事実から出てくる。第一段階は見つかっているかを、第二段階は現地へ行く理由があるかを、第三段階は現物の評価と価格が釣り合っているかを問うている。価格はこの三つすべてに触れるが、第一段階では検索の区切りとして飛び飛びに、第二段階ではほとんど働かず、第三段階では評価との差として連続的に働く。詰まりの位置が分かれば、値下げが効く局面かどうかも同時に分かる。

そして、詰まりの位置は動く。制約理論が示すとおり、制約を解消すれば制約は次の段階へ移る。したがって、この計測は一度きりの診断ではなく、報告の区切りごとに繰り返す作業である。繰り返しに耐えるためには、数え方が期間を通じて一定でなければならない。定義を売り出し前に決めておくべき理由は、この一点にある。

8.1 本稿の限界

第一に、本稿は段階ごとの歩留まりについて、望ましい水準を一つも示していない。示さなかったのは方針であると同時に、示せるだけの根拠を持たないためでもある。日本では、個別物件の閲覧数・問い合わせ数・内覧数を横断的に集計した公開データが整っておらず、成約価格は指定流通機構と国土交通省の取引価格情報から部分的に把握できるものの、販売過程の各段階の数字と結び付けて公開されているわけではない。標準値のない指標は、他者との比較には使えず、自分の物件の時系列の変化を読むためにのみ使える。

第二に、工程という比喩そのものの限界である。第6節で述べたとおり、買主は材料ではなく、脱落は損失ではなく、必要な申込は一件である。歩留まりを高めること自体を目的に据えれば、この枠組みは容易に有害な指標になる。測定された指標が目標に据えられると、その指標は指標として機能しなくなるという指摘は、経営管理の分野で繰り返し確認されてきた。本稿の枠組みは診断のためのものであり、評価のためのものではない。

第三に、分母の小ささという制約は、方法によっては解消できない。磐田市や森町のような市場で、統計的に安定した歩留まりを得られる物件は多くない。本稿が比率よりも脱落理由の内容を重視したのは、この事情への対処であって、方法上の優位を主張したものではない。

8.2 残された論点

第一に、一般媒介契約における計測の設計である。本稿は、報告義務が制度として定められている専任媒介・専属専任媒介を暗黙の前提としてきた。複数社に依頼する場合、数字は複数の様式で別々に上がってくる。定義の揃っていない数字を足し合わせれば、精度は上がるどころか下がる。集約の方法は、情報の統合という別の主題を要する。

第二に、掲載媒体が公表する指標の非比較性である。閲覧数・お気に入り登録数といった指標は、事業者ごとに定義も算出方法も異なり、外部からは検証できない。それらを判断の材料に使うことの妥当性は、指標設計の観点から改めて検討する必要がある。

第三に、報告様式の標準化をめぐる問題である。宅地建物取引業法は業務処理状況の報告について頻度を定めるが、内容を定めていない。内容の標準化は依頼者の判断材料を増やす一方で、様式を満たすことが目的化する危険を伴う。何を標準化し、何を当事者の合意に委ねるかという線引きは、それ自体が検討に値する主題である。

最後に一点、確認しておきたい。本稿は数えることを勧めているのであって、数字で売却を運営することを勧めているのではない。三つの数を分けて数える目的は、反応がないという一語の中身をほどき、値下げ以外の選択肢を議論の場に戻すことにある。数えた結果、打つ手がないと分かることもある。それでも、手がないと分かっていることと、分からないまま日数が過ぎることのあいだには、売主にとって小さくない差がある。

参考文献

  1. エリヤフ・M・ゴールドラット(1984)『ザ・ゴール——企業の究極の目的とは何か』(三本木亮訳、ダイヤモンド社、2001)
  2. ウォルター・A・シューハート(1931)『製品の経済的品質管理』(原題 Economic Control of Quality of Manufactured Product)
  3. W・エドワーズ・デミング(1986)『危機からの脱出』(原題 Out of the Crisis)
  4. 大野耐一(1978)『トヨタ生産方式——脱規模の経営をめざして』(ダイヤモンド社)
  5. 石川馨『品質管理入門』(日科技連出版社)
  6. ジョン・D・C・リトル(1961)「待ち行列の公式 L=λW の証明」
  7. ハーバート・A・サイモン(1947)『経営行動』(原題 Administrative Behavior)
  8. 宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)第34条の2
  9. 国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」
  10. 国土交通省「標準媒介契約約款」
  11. 国土交通省「不動産情報ライブラリ」(不動産取引価格情報等)
  12. 磐田市「磐田市の人口 令和8年度」(2026年7月末現在)
富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役 大石 浩之

大石 浩之

富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役
宅地建物取引士(静岡県知事 第027186号)

富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役。宅地建物取引士(静岡県知事 第027186号)。静岡県磐田市見付5789番地1で不動産業を営む。

自社で買い取る事業を持たず、仲介一本で売主の側に立つことを事業の前提に置いている。買主になれば「安く買いたい人」になり、同じ口で価格の妥当性を説明できなくなる、という理由による。買取・買取保証という売り方そのものは否定せず、売主が選んだ場合は買主にならずに複数社の見積もりを比較する立場に回る。

同社は不動産業のほか、磐田市内で介護事業を営む。高齢期の住み替え、施設入居、実家の処分という一連の局面に事業として接してきたことが、本シリーズの問題意識の背景にある。

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